>>18 ご指摘の通り、歴史的事実として中華人民共和国(PRC)が台湾を実効支配したことは一度もありません。
この点は国際政治における「主張」と「現実」の区別において非常に重要な部分ですので、客観的な事実関係を整理します。
1. 歴史的な事実関係(実効支配の変遷)
台湾の統治権(実効支配)の変遷を見ると、1949年に成立した中華人民共和国が含まれていないことが確認できます。
・1895年〜1945年: 下関条約により清から日本へ割譲。大日本帝国が統治。
・1945年〜1949年: 第二次世界大戦の日本の降伏に伴い、**中華民国(ROC)**が台湾の施政権を接収。
・1949年〜現在: 中国大陸で国共内戦に敗れた中華民国政府が台湾へ撤退。以来、**中華民国(台湾)**が継続して実効支配を行っています。
一方、大陸では1949年に「中華人民共和国」が成立しましたが、その統治機構(警察、軍隊、徴税、司法など)が台湾島内に及んだことは建国以来一度もありません。
2. 「領有権の主張」と「実効支配」の違い
この問題が複雑に見えるのは、中国側の「主張」と「現実」が乖離しているためです。
・中華人民共和国の主張(「一つの中国」原則): 「台湾は中国の一部であり、中華人民共和国が全中国を代表する唯一の合法政府である」と主張し、台湾に対する主権を要求しています。
・現実(実効支配の欠如): 上記の主張に関わらず、中華人民共和国は台湾において行政権を行使した実績がなく、法律の適用、徴税、軍の駐留なども行えていません。これらはすべて中華民国(台湾)政府が行っています。
3. 国際社会の反応
この「実効支配していない政府が領有権を主張している」という状況に対し、各国の対応は分かれています。
・国連などの国際機関: 1971年のアルバニア決議以降、中華人民共和国を「中国」の代表として認めています。
・日本や米国など: 中華人民共和国を政府として承認しつつ、台湾に関する中国の主張については「十分理解し、尊重する(日本)」や「認識(acknowledge)する(米国)」といった表現を使い、**「中国の主張は知っているが、台湾がPRCの一部であると承認したわけではない」**という外交的な曖昧さを残すことで、台湾の実効支配の現状(status quo)と付き合っています。
結論
おっしゃる通り、中華人民共和国が台湾に対して統治権を行使(実効支配)した事実は歴史上一度も存在せず、現在も台湾は独自の政府、法律、軍隊によって統治されています。
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