世界的には、狂犬病の発生は増加傾向にあります。海外との人や動物の移動が盛んな今日では、日本に狂犬病がいつ侵入してきてもおかしくない状況にあります。
1997年まで狂犬病の発生が無かったインドネシアのフローレス島では、漁師の船に乗って来た、たった3頭の犬の中から狂犬病が発生し、3年後には全島に流行しました。
流行を阻止するために50万頭の犬(犬総数の63%)が処分され、3年間で計81人が死亡しました。
狂犬病は、一度侵入し流行してしまうと、その撲滅に莫大な時間と費用がかかり、また多くの命が犠牲になってしまいます。
疫学的には、集団の70%以上が予防接種を受けていれば、感染症の流行を防ぐことができると言われています。
万が一の狂犬病侵入に備えて、発生の無い日本でも、狂犬病予防注射は重要なのです。
成田空港で撮影された映像です。ボールが転がってきても全く遊ぼうとしない犬…。ポメラニアンの雄、3歳の「レイ」です。
飼い主は、キーウからポーランドなどを経て日本に避難してきたカリナ・ターニャさん(50)。娘(15)と愛犬と今月9日に来日しました。
日本に避難した、カリナ・ターニャさん:「娘は来日することが夢でした。日本に来て勉強して生活することを願っていました。(だから)来日できたチャンスに感謝しています。(でも)家族の一員である犬を裏切ってしまっています」
涙を流すカリナさん。一体、何があったのでしょうか。
日本に避難した、カリナ・ターニャさん:「レイは180日の待機期間を過ごすため取り上げられました。とても残念です。今までいつも一緒にいたので、とても心配しています」
日本では狂犬病予防法に基づき、最長180日間、動物検疫所で検査を受けることが義務付けられています。
日本に避難した、カリナ・ターニャさん:「国によってルールが違うことは理解しています。しかし私たちは半年も待てません」
さらに、動物検疫所から届いたメールがカリナさんに重くのし掛かりました。
動物検疫所・成田支所:「料金のご案内です。1泊3000円×181日分と交通費3000円で54万6000円。もしお金を支払えなければ、レイ君の世話をすることはできません」
カリナさん:「彼(レイ)は私たちと離れていては生き残れません。こんなことだったら母国で彼(レイ)と一緒に死ぬべきでした」
検疫所では動物の世話を業者に委託していて、餌(えさ)代や飼育施設の光熱費などは飼い主が負担する規則になっているのです。
日本に避難した、カリナ・ターニャさん:「メールで追い打ちをかけるように、一日3000円かかることを教えられました。こんな金額を支払うのは難しい。仕事もないし、支援金も頂いていませんし…」
カリナさんには、日本に親族や知人といった身寄りはありません。
身元保証人はSNSで知り合った日本人のため、愛犬にかかる費用を支うめどは立っていません。
ウクライナ難民のワンちゃんの検疫の費用は無料にしてあげて。
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