予想された結果である。私は2018年、CJ機構が東南アジアにおける事業計画の一大拠点として開店させたマレーシア・クアラルンプールの「ISETAN The Japan Store」を視察した。クールジャパンを謳っておきながら、店内には「スターウォーズ」「ディズニー」の商品が氾濫し、「日本産コンテンツ」は無いに等しかった。食品フロアはむごいものだった。日本からマレーシアに輸入された農産品が、現地の市場価格を無視した異様な値付けがなされ、当然誰も買わないので放置されている。ファッションフロアも閑古鳥が鳴く。世界各地に進出しているユニクロ等のノウハウを無視し、「日本製品は優秀で高いブランド力を持つから工夫しなくとも売れる」という独善的な発想のもとに馬鹿高い値付けを行っているので、まるでフロアは失敗した遊園地のように客が誰もいない。