部数激減、経営悪化、人材流出……。負のスパイラルに陥った、かつての自称「クオリティー・ペーパー」朝日新聞の内部では何が起こっているのか。
取材を進めた先に見えてきたのは、会社を去っていく若手記者の「絶望」。そして、「ジャーナリズムの放棄」であった。
***
改めて言うまでもないことだが、組織は人で成り立っている。組織を支える人が流出、あるいは劣化してしまっては、「クオリティー・ペーパー」を維持することなど到底かなうまい。
朝日新聞が苦境にあえいでいる。
今年1月のABC調査によれば、かつて840万部を誇った朝刊発行部数は、今や380万部まで落ち込んでいる。
部数減は全国紙全体の問題とはいえ、朝日の凋落ぶりは明白である。2021年3月期決算では約442億円の大幅赤字を計上。
「200人規模の希望退職者」を募ったことで、エース級の記者を含む多くの人材が社を去った。
■記事削除に社内は大騒ぎ
「今年5月30日、朝日新聞デジタルは、自らを“ジョーカー議員”と称する河合悠祐・草加市議を紹介する記事を配信しました。
しかしそれが女性支援団体のシンパなどから一斉に批判され、大炎上。
すると朝日は記事を取り消し、削除したのです。この記事は紙の新聞に掲載される前段階で削除されたため、社外ではあまり知られていませんが、社内は大騒ぎになりました」(朝日新聞社員)
〈京大卒ジョーカー、挫折の先の自己実現 ウケ狙いから当選への分析〉
とのタイトルで、“ジョーカー議員”こと河合市議の経歴や、当選までの過程を本人へのインタビューを元にたどった人物ルポである。
一読して何の問題もなさそうなこの記事が炎上したのは、「Colabo(コラボ)」という団体と河合市議の因縁に“触れていない”ことが原因だった。
この団体は、虐待や性被害などにあった女性を支援する一般社団法人。河合市議はツイッター上などでこの団体の活動を揶揄する言動を繰り返していた。
そのため、記事が配信されると「Colabo」の支援者らが一斉に批判。朝日はそれに屈する形で記事を取り消したのだ。
全文は以下
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/08040557/?all=...
返信する