●ベトナムにいる同胞(一般の人々)はどう思っているか
全員が「何も思わない」わけではありません。 在日ベトナム人コミュニティやベトナム国内の報道では、「恥ずかしい」「コミュニティ全体のイメージを損なう」「日本人の信頼を失う」といった声が複数出ています。
在日ベトナム人が法律知識を広める活動をしたり、ベトナム国内メディアが「日本でのベトナム人犯罪増加が共同体に影響」と報じたりする例があります。
一方で、犯罪者は全体のごく一部で、技能実習の債務・低賃金・失踪(ボドイと呼ばれる逃亡者コミュニティ)などの構造的要因を指摘する声もあります。
一般のベトナム人が日本での同胞の窃盗事件を日常的に強く意識し、強く非難しているかというと、必ずしもそうではない面もあります。
転売目的の組織犯罪の受け皿がベトナム側にあるケースも指摘されており、完全に無関心というわけでも、一枚岩で強い反発があるわけでもありません。
ベトナム政府側は、海外不法残留者への罰金(最大約1億ドン=数十万円規模)を定める政令を施行し、日本の入管に出頭・帰国希望者が殺到した例もあります。これは不法滞在抑制の動きです。
●日本政府はベトナムに文句を言っていないのか
公式に「強く抗議して関係を悪化させる」ような露骨な外交的非難は、公開情報では目立ちません。
日越は経済・安全保障で重要なパートナー関係(包括的な戦略的パートナー)を維持しており、労働者受け入れも続くため、対立を避けつつ実務協力を進める傾向が強いです。
ただし、放置しているわけではありません。 警察・入管とベトナム当局間で、組織犯罪・越境犯罪対策の情報共有や対話が行われています。
駐日ベトナム大使が「犯罪を起こしても大使館に知られないと抑止にならない。全件通報してほしい」と要望し、日本側の政治家(例:松島みどり議員)が警察庁・外務省・法務省に全件通報制度(領事通報の強化)の交渉推進を働きかけている動きがあります。
現状は本人希望時のみ連絡の原則(ウィーン条約関連)で、全件通報には二国間取り決めが必要です。
個別事件ではベトナム外交部・在日公館が「調査に協力し、厳正に対応」と表明するケースもあります。
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