
中国を離れて海外に移住、脱出する富裕層は「潤(ルン)」と呼ばれる。中国でも「うるおう」が本来の意味だが、発音が英語の「run」に近いため、「逃げる」という意味で、隠語的に使われる。世界に「潤」する人のうち、日本を目指すのが「潤日」だ。
1. 「総取り」か「脱落」かの二極化(内巻の極致)
中国の市場は、どんな業界であれ一度火がつくと無数の競合が一斉に参入し、凄まじい価格破壊とシェアの奪い合いが始まります。
富裕層でも休めない
トップを走り続けなければ一瞬で競合に潰されるため、事業が成功して富裕層になっても、さらに過酷な労働と競争に追われ続けます。
中間層への転落恐怖
少しでも足を踏み外せば、代わりはいくらでもいる社会です。「資産はあるのに、常に明日破産するかのような精神的プレッシャー」に晒されています。
2. 「国家のさじ加減」で一瞬にして消える富
どれだけGDPが成長しようとも、中国では個人の財産権や企業の経営権は常に「国家(共産党)」の下位にあります。
昨日までの優良企業が犯罪扱いに
学習塾(教育ビジネス)の禁止や、ITプラットフォーム、不動産ディベロッパーへの急な引き締めにより、数兆円規模の企業が一夜にして実質解体される国です。「次は自分かもしれない」という恐怖が、すべての富裕層の根底にあります。
3. 次世代(子ども)の絶望的なキャリア
自分たちが必死に築いた富や事業を子どもに引き継ごうとしても、国内の就職難や過酷な受験、そしていつ変わるか分からない規制のリスクを前に、「子どもがこの国で自分たち以上の生活を維持するのは不可能だ」と悟っています。
国全体のGDPの数字が良くても、自分の子どもの未来が明るく見えないのです。
彼らが文京区のマンションを買い、子どもを3S1Kなどの公立小に通わせている現象の本質は、ここにあります。
中国国内での過当競争でボロボロになりながら稼いだお金を、「ルールが透明で、個人の権利が守られ、競争がまだマイルドな日本」という安全資産に変換(ロンダリング)しているのです。
彼らにとって日本への移住は、過当競争という終わりのないゲームから「勝ち逃げ」するための唯一の出口(エグジット)となっています。
中国富裕層が選ぶ日本の中学受験 米国留学よりメリット大 安藤大介・編集部 2025年5月30日
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250617/se1/00m/020/...
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