「外国人犯罪が多い」という言説は、単純にデマであるとも、真実であるとも一概には言えず、警察の犯罪統計のどの部分を強調するか、また「外国人」をどう定義して処理するかによって真偽の解釈が分かれます。
日本ファクトチェックセンターなどの分析に基づき、以下の視点で整理できます。
1. 「根拠のないデマ」とされる側面(全体像)
長期的な減少傾向: 来日外国人による刑法犯の検挙人員は、2005年(約1.3万人)をピークに減少しており、長期的に見れば急増はしていません(2022年以降の増加はパンデミック後の回復)。
全犯罪に占める割合: 日本全体の刑法犯検挙件数に占める外国人(来日外国人)の割合は、全体の数パーセント程度であり、治安全体を脅かすほど爆発的に多いわけではありません。
「外国人=犯罪」という誤解: 在留外国人の増加と犯罪増は直接的な因果関係がないとする意見も多く、SNS上の過激な主張は不正確な場合が指摘されています。
2. 「外国人犯罪は多い」とされる側面(統計の処理)
人口比での比較(犯罪率): 警察庁のデータでは、短期滞在者を除く在留外国人の犯罪率(人口あたりの検挙人数)は、日本人の約1.72倍であると2025年11月に報告されました(「検挙人員」÷「在留人口」で計算)。
特定の罪種での多さ: 万引きや傷害・暴行など、一部の特定の刑法犯において、特定の国籍の来日外国人が組織的・高い割合で検挙されているケースが指摘されています。
「来日外国人」の定義: 特別永住者や中長期滞在者を含めるか、観光客のみを含めるか、あるいは非正規滞在者を含むかで、数値は大きく変わります。
3. 統計の「見方」による違い
「数(件数)」で見ると少ない: 外国人による犯罪数は全体で見れば少ないため「少ない」という結論になる。
「比率(率)」で見ると多い: 人口あたりの犯罪件数は多いため「多い」という結論になる。
このように、この言説は「犯罪が急増している」という煽りとしてはデマ(誤り)である可能性が高い一方、人口あたりの犯罪率が日本人より高いという点では統計に基づいた事実(ただし特定の定義に限る)といえます。
したがって、報道やSNSでデータを引用する際は、どの定義の数字(検挙人員か、件数か、来日外国人か、在留外国人か)を使っているかを確認することが重要です。
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