
北陸先端科学技術大学院大学 2025/12/15
[プレスリリース] 両生類・爬虫類の腸内細菌から画期的ながん治療細菌を発見!
https://www.jaist.ac.jp/whatsnew/press/2025/12/15-1.ht... ニホンアマガエル(Dryophytes japonicus)、アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)、カナヘビ(Takydromus tachydromoides)の腸内から計45株の細菌を単離しました。
これらの細菌を系統的にスクリーニングした結果、9株が抗腫瘍効果を示し、
中でもニホンアマガエルの腸内から単離した細菌Ewingella americanaが、マウスのがんモデルで一度限りの投与により腫瘍を完全に消失させる極めて強力な抗がん作用を持つことを発見しました。
驚異的な治療効果
マウスを用いた大腸がんモデルにおいて、E. americanaをたった一回静脈投与するだけで、腫瘍が完全に消失し、100%の完全奏効[注1]率(CR率)を達成しました。
これは、現在標準治療として使われている免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)やリポソーム化ドキソルビシン(化学療法剤)を大きく上回る治療効果です。
二重作用による抗がん効果
E. americanaは以下の二つのメカニズムでがんを攻撃します。
直接的殺傷効果:
通性嫌気性細菌であるE. americanaは、低酸素状態のがん組織に選択的に集積し、がん細胞を直接破壊します。
腫瘍内での細菌数は投与後24時間で約3,000倍に増加し、効率的にがん組織を攻撃します。
免疫活性化効果:
細菌の存在が免疫系を強力に刺激し、T細胞、B細胞、好中球などの免疫細胞ががん組織に集結します。
これらの免疫細胞が産生する炎症性サイトカイン(TNF-α、IFN-γ)がさらに免疫応答を増幅し、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導します。
通性嫌気性細菌とは
酸素がある環境でも無い環境でも増殖できる細菌。代表例は大腸菌(腸内細菌)、ブドウ球菌、乳酸菌(ガセリ菌など)、微生物では酵母菌
がん組織の低酸素領域で選択的に増殖できる。
但し、実験動物で抗癌作用が強くても、実際のヒトの臨床試験で効果が得られない、あるいは予期せぬ副作用のために開発が中止されるケースは少なくありません。
これは主に「種差(しゅさ)」と呼ばれる、動物とヒトとの生物学的な違いに起因します。
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