■2期連続の赤字…NHKの「苦しい懐事情」
今回の「督促強化」宣言。その背景には、NHKが直面している深刻な財政事情がある。
NHKが発表した2024年度の中間決算は、事業収支が449億円の赤字。これで2期連続の赤字決算となった。
■「督促強化」で裁判は激増するのか?
「民事手続き」の最終形は、「法的措置」つまりNHK側から裁判を起こされてしまうことだ。
「受信料は絶対払わない!」というタイプも裁判を起こされるのは嫌なはずだ。
裁判まで行くケースは増えそうか。
「もちろん、督促状を2回、3回と無視し続ければ、裁判を起こされるリスクは高まります。
しかし、全件に対して裁判を行うのは現実的ではありません。裁判には費用も手間もかかります。
数千円、数万円の受信料を回収するために、それ以上のコストをかけて裁判をするのは、組織として合理的ではないからです」
基本的に裁判はNHK側にとってコスパが悪く、激的に増えることはないだろうとの見立てだった。
■ターゲットは「お人好し」と「世間体を気にする人」
裁判の件数が横ばいだとしても、警戒すべきは「戸別訪問」の復活だ。
コロナ禍で一時自粛されていた訪問活動だが、今後は再び活発化すると上田氏は予測する。
「来年はまた戸別訪問が増えるでしょう。彼らがターゲットにするのは、強硬に支払いを拒否する人たちではありません。
むしろ、『お人好し』や『近所の目を気にする人』です」
上田氏によると、訪問員は過去の対応記録などを参考に、支払いに応じてくれそうな世帯を重点的に回る傾向があるという。
つまり人を見て取り立てているのだ。
■「公共の負担金」という理屈
NHK側は受信料を「放送を維持するための特殊な負担金」と位置づけている。
テレビを見ているかどうかに関わらず、社会全体で公共放送を支えるべきだという理屈だ。
「極端な例ですが、テレビを持っていなくても、世間体のためにアンテナだけ立てて契約している人や、ほとんど住んでいない別宅でも契約している人もいます。
NHKはそういった“真面目な人”が不公平感を抱くかもしれない、という理屈で受信料徴収を強化しているのです」(上田氏)
いきなり裁判沙汰になることは稀だとしても、督促状や訪問員によるプレッシャーは今後確実に強まるだろう。
「見ていないから払わない」という主張と、「公共の役割」を掲げるNHK。その攻防は、新たなフェーズに入ろうとしている。
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