「朝鮮人に心から感謝」98年前の北但大震災、朝鮮人が救護活動で活躍

　1925年に兵庫県北部の豊岡市などで震度６を記録した北但大震災を巡り、現地の旧制中学生徒の文集に朝鮮人が救護活動などで活躍した記述が残されている。

　1925年に県北部の豊岡市などで震度6を記録した北但大震災を巡り、現地の旧制中学生徒の文集に朝鮮人が救護活動などで活躍した記述が残されている。その2年前の23年に発生した関東大震災では、混乱で生じた流言から多くの朝鮮人らに虐殺被害があった。

　専門家らによると、北但大震災では朝鮮人の虐殺被害はなかったとみられる。在日朝鮮人の歴史に詳しい東京大大学院の外村大教授（日本近現代史）はこうした違いの理由について、当時急激に朝鮮人の数が増えた東京と比べ、兵庫では河川工事などで動員された朝鮮人が以前から働き、「なんとなく知っているという人間的な距離の近さがあり、大事に至らなかったのでは」と分析する。

　文集は深井純一立命館大名誉教授＝2012年死去＝が04年までに収集、編さんした「救命・消火の最前線を担った少年たち」。旧制豊岡中（現県立豊岡高）の生徒604人の被災体験談が収められ、うち16人に朝鮮人に関する記述があった。

　文集には「火災の中で豊岡在住の朝鮮人は、火に攻められて困っている町民を、舟で向こう岸に渡した（中略）朝鮮人に、心から感謝した」「関東大震災の時、朝鮮人が暴れたと伝えられたが、今度の震災で豊岡にいる朝鮮人は非常におとなしく、奉仕活動に取り組んでいる」などと記されていた。

https://www.nnn.co.jp/articles/-/20791...

返信する