「早生まれは損をする」は本当か?
エビデンスで明かされる衝撃の研究結果
早生まれ:1月1日から4月1日までに生まれた子どもを「早生まれ」
4月2日から12月31日までに生まれた子どもを「遅生まれ」と呼びます。
生まれ月の影響は、学力だけでなく
非認知能力や将来の年収にも影響を及ぼす
「プロスポーツ選手には4月生まれが多い」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。
同じ学年でも、4月生まれと翌年3月生まれとでは、約1年の歳の差があります。
特に子どもの年齢が小さいうちは、1年の差はとてつもなく大きいものです。
体格はもちろんのこと、情緒や精神面の発達にも差があることが知られています。
東京大学の山口慎太郎教授、サイバーエージェントの伊藤寛武氏らが発表した論文では、
埼玉県のデータを用いて、同じ学年の4月生まれの子どもと翌年3月生まれの子どもを
比較しています。
これによると、4月生まれの子どもは翌年3月生まれの子どもと比べて、小学4年生時点の
算数の学力テストの偏差値が3.5、国語で3.6高いことがわかりました。
中学3年生ではそれぞれ1.3と1.7まで縮小するものの、差はゼロにはなりません。
東京大学の川口大司教授と専修大学の森智明准教授の研究によれば、
相対年齢は最終学歴にまで影響していることが指摘されています。4月生まれの人は
翌年3月生まれの人と比べて4年制大学を卒業する確率が男性は2ポイント、
女性は1ポイントも高いというのです。また川口教授の別の研究では、4月生まれの人は
翌年3月生まれの人と比べて、30~34歳時点の収入が4%高いことも明らかになっています。
このせいもあってか、年間1800件を超える出生が、3月の最終週から4月の第1週に
ずれている可能性を指摘したのは、東京大学の重岡仁教授です。早生まれの不利を
嫌う親が、何らかの方法を使って、出生日が4月2日以降になるように試みたのでは
ないかと考えられます。
出席番号を生まれ月順にしているという自治体もあります。これによって、
教員が子どもの生まれ月を意識しやすくなり、早生まれの子どもが不利にならない
ように配慮することができるというわけです。
このようにさまざまな工夫を凝らして、生まれ月の格差を縮小する取り組みが
必要なのではないでしょうか。
https://diamond.jp/articles/-/35634...
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