「寝だめ」できない、中高生は夜型で早朝の勉強は効率悪い…
睡眠の「新常識」
睡眠に関する誤解は多い。「若者は早起きして勉強すると効率がいい」
「短時間睡眠で済む ショートスリーパーになれる」。
こうした情報は今もネット空間などで散見されるが、科学的には否定されている。
九州の高校では1時間目の授業前の早朝、大学受験などの対策に取り組む
「朝課外」と呼ばれる非正規授業が開かれている。長年の習慣だが、熊本県の
全県立高校が2022年度末で廃止するなど見直しが相次いでいる。
朝課外は以前から教員の重い負担や生徒の寝不足の一因と指摘されていた。
生物学的な研究でも、人は10代後半から急激に夜型に移行し、20歳前後で
ピークに達するとその後は年齢とともに朝型になると示されている。
筑波大の柳沢正史教授は「中高生は夜型で、強制的に早朝に起こせば睡眠不足を招く。
早朝の勉強は効率が悪い」と明言する。
「90分サイクルで起きると目覚めが良い」との情報についても柳沢氏は「ほぼ都市伝説」
と断言する。「人がいつすっきり目覚められるのかは、よくわかっていない」と明かす。
寝だめに関する誤解もある。
「眠れない平日に備え休日に寝だめすればよい」とも考えがちだが、柳沢氏は
「睡眠不足による『負債』を返すだけで睡眠を『貯金』することはできない」と話す
寝酒も問題だ。飲酒で中枢神経が抑制されて眠くはなるが、アルコールは体内で
代謝されるとアセトアルデヒドという物質に変換され、交感神経の働きを活発にする
などして快眠を妨げる。柳沢氏は「睡眠の質は最悪で、眠るために飲酒をするなら
睡眠薬を処方してもらった方がはるかに良い」と助言する。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20241213-OYT1T50208...
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