東京都千代田区は9、10日、英国大使館跡地(同区一番町)で発見された弥生時代や江戸時代の遺跡を区民らに公開
した。土地を所有する三菱地所レジデンスなどが調査を進めており、弥生、江戸の両時代の人々の生活がうかがえる貴重
な資料も見つかっている。
「土が赤く変色しています。ここは料理を煮炊きしていた場所」。9日午前、発見された弥生時代の竪穴建物跡の前
で、調査員が当時の生活の様子などを、訪れた人に説明していた。
これまでの調査では、弥生時代後期とみられる竪穴建物跡も40基以上発見された。このほか、弥生土器に加え、縄文
土器も見つかっているという。
遺跡が見つかったのは、同社が2022年4月に英国から購入した英国大使館の敷地の一部。マンションの建設予定地
として購入されたが、23年2月に区の試掘で遺跡が発見され、同社が同6月から本調査を行っている。調査は今春まで
に終了する見込みで、順次、埋め戻しながら、マンション建設を進める予定という。
今回の調査地域は、旗本や大名の武家屋敷などとして利用されていたとみられており、調査では地下室や上水跡なども
確認された。
区内には、江戸時代を中心に97か所の遺跡が登録されているが、弥生時代後期の大規模な集落が見つかるのは初めて
という。江戸の町が整備される以前の暮らしを知る手がかりとしても期待されている。
区の学芸員、相場峻さん(36)は、「江戸時代は切り土や盛り土をして土地を開発してしまうことが多く、これほど
大規模な弥生時代の遺跡が残っていることに意義がある」と話した。
同社や区などは、26年3月末までに、遺跡について報告書をまとめ、区民らにも閲覧できるようにする予定。
https://news.yahoo.co.jp/articles/55ce17ab4730b052732ff...
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