1970年代後半、ソニーの「ベータマックス」とビクターの「VHS」による家庭用VTRの規格争いが起こった。
この戦いで、なぜソニーは敗北したのか。「ベータマックス」の開発・マーケティングの責任者だった盛田正明さんと
神仁司さんの共書『人の力を活かすリーダーシップ』(ワン・パブリッシング)より紹介する――。
■ビデオ戦争の“戦犯”が語る
実は私は1967年頃家庭用ビデオテープレコーダー『ベータマックス』の開発・マーケティングの指揮を執る責任者でした。
ですから、私は(ビデオ規格・ベータマックス対VHS争いの)“戦犯”と言っていいです。
あの頃、ビデオは、世の中で放送用のものしかありませんでしたが、家庭用のビデオを作ろうと井深さんが発想して、試行錯誤の末、
最初にできたのが、『U-マチック』という結構大きなものでした。井深さんが、「ポケットに入るサイズにしろ」と言って、
さらに小っちゃいものを作ろうとして、1973年に木原信敏さん(当時主任研究員)が、ベータマックスのサイズを考えました。
その当時、ビクターさんもビデオをやっていましたが、それがVHSビデオテープでした。松下電器さんも開発中で、
ベータマックスとVHSのどちらにしようかという状況でした。
たった一つ、ソニーの考え方がこれまでとちょっと違っていたことがありました。われわれはいつもグローバルにと考えていましたが、
ベータマックスを商品にしようと思った時に、やはり日本で最初に商品にしないとダメだろうと考えたのです。日本ほどテレビをよく見ていた
国民はいませんでしたから。
https://news.yahoo.co.jp/articles/38011a248f60e38b14cb8...
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