’19年7月に北海道標茶町(しべちゃちょう)オソツベツの牧場で初めての被害が確認されて以来、この4年半の間にOS
O18は少なくとも65頭の牛を襲ってきた。被害総額は2000万円を超え、各地の牧場では電気柵などの対策のために
多額の費用が投じられている。地元では捕獲作戦が進められているが、OSO18は知能が高く警戒心も強いため、なか
なかその姿が捉えられない状況が続いている。
その被害の多さと神出鬼没ぶりから”最凶のヒグマ”とも呼ばれるOSO18だが、実は必ず牛の襲撃に成功しているわけ
ではない。標茶町の隣町である厚岸町上尾幌では、乳牛を襲撃しようとして逆に返り討ちにあっていたことが本誌の取材
で明らかになった。
厚岸町で久松牧場を営む久松昭治さんが明かす。
「あれは今年の8月20日のことです。朝6時頃、うちのお母ちゃん(久松さんの妻)がいつものように牧場に出ると、搾
乳の時間になっても戻ってこない牛がいることに気づいたんです。放牧地を探すと、1頭の乳牛が立ちすくんでいた。生
後24ヵ月、体重500kg程度のリオンという牛です。リオンの両肩には、鋭い牙の痕が刻まれていて、また、ぬかるみを引
きずられたのか全身泥だらけでした。襲われた時間は正確にはわかりませんが、リオンの体についた血や泥の乾き具合か
ら見て、夜中だと思います」
久松さんの牧場では基本的に乳牛の角を切り落とさないため、リオンには先端が鋭く尖った角が生えている。その角に、
ゴワゴワとした茶色の毛が残っていたという。
「鬼の角のようなイメージですね。その左の角に3本、毛が残っていたんです。DNA鑑定の結果、OSO18の毛だと
特定されました。おそらく、リオンは横からオソに噛まれた拍子に首を振って抵抗したんだと思います。リオンはもとも
と気の強い牛ですからね。あの太い首と鋭い角で反撃されたら、いかにオソといえどアバラくらい折れているはずです。
実際、例年は9月頃まではOSO18による被害が出ますが、今年はリオンを襲撃して以降、ぱったりと姿を現さなくな
った。オソにとって反撃されたのは初めてだったんでしょう。これに懲りて牛を襲うのは諦めてくれればいいんだけどね
……」
久松さんは牧場主でありながら、その道30年のベテランハンターでもある。これまでにヒグマを仕留めた経験もある久松
さんは、OSO18への思いをこう語る。続く…
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f45476a52086aac3f5e2...
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