アカウミガメと聞くと南国の青い海を泳ぐ姿をイメージしていた私は10月に北海道の沖合でアカウミガメが漁の網にかかったという話を聞きました。しかも1頭ではありません。9月中旬からのおよそ1ヶ月の間に20頭以上が網にかかったというのです。
一体何が起きているのか。
私は自分の目で確かめるため、10月中旬、情報を教えてくれた北海道登別市の漁師 橋本和也さんにお願いし、漁に同行させてもらいました.
橋本さんは登別で34年間、漁業を営んでいます。
秋から冬にかけては登別の沖合およそ7キロで深さおよそ70mの海底に刺し網を仕掛け、アンコウやエイの一種であるカスベを取っています。
同行したこの日も、網をひきあげ始めるとカスベが数匹かかっていました。
そして1時間近くたったころ。
「カメだ」。
そういって橋本さんは網を指さしました。
船から海をのぞき込むと、全長1メートルほどのオスのアカウミガメが網にからまり水面に上がってきました。
体は白く、動いていません。
息継ぎをすることができず死んでしまったとみられます。
網をほどくため、船に引き上げようとしましたが、重みで網が自然にほどけ、アカウミガメはそのまま海に沈んでいきました。
橋本さんが登別沖でアカウミガメを見たのは今年が初めてです。
しかし9月の中旬から1ヶ月の間に20頭以上が網にかかったといいます。
橋本和也さん「網を引き上げるたびに2、3頭。多いときには1日9頭が網にかかっていました。今まで見たことがなかったので、びっくりしました。かわいそうだなーと思って、助けてあげたいけど、死んでしまっているからどうすることもできなくて」。
《漁業への被害も》
港に帰ったあと、橋本さんが私に見せてくれたのは、使えなくなった網でした。
体の大きなアカウミガメに絡まってしまった網は切らざるを得ず、もう漁には使えません。
さらに、今年は10月中旬のカスベやアンコウの漁獲は例年の半分にも満たないといいます。
橋本さんは複雑な胸の内を話してくれました。
橋本和也さん「網にかかってしまえばカメは減ってしまうし、環境には良くない。ですが、やっぱり生活もあるので…」
《「絶滅危惧種」アカウミガメなぜ北海道の海に?》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221123/k1001389952...
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