東京都北区の区立滝野川第三小学校で児童ら11人が重軽傷を負った火災は、26日で1週間となる。児童や教職員ら全員の命が助かったものの、火災への備えは生かされず、初期消火や避難のあり方に課題を残した。(寺倉岳、林麟太郎)
校舎4階の音楽室で、40歳代の女性教員が焦げた臭いに気付いたのは、19日午前10時50分頃。5年生の児童24人への授業中だった。隣の音楽準備室につながるドアを開けると、室内で煙が上がっていた。
「ジリリリリ」。直後に火災報知機が鳴った。授業を受けていた男子児童は「パニックになった」と振り返る。駆けつけた担任の男性教員が消火器を火元に噴射したが、勢いは収まらない。煙は音楽室に入り込み、廊下にも回り始めた。
男性教員らは児童の避難方法の選択を迫られた。まず、地上に滑り降りる「救助袋」の使用を試みたが、うまく使えなかった。救助袋は音楽室の校庭側に備え付けられていた。
屋内階段を使った避難は、音楽室近くの階段入り口の防火シャッターが閉まっており、難しかった。シャッターの横には避難用ドアもあったが、廊下には煙が充満しており、断念せざるを得なかった。
このため、男性教員は音楽室に戻り、児童を1人ずつ抱きかかえて、高さ約1メートルの窓から3階のひさしの上に避難させた。一部の児童は自らひさしに出た。
柵のないひさしの幅はわずか約80センチ。転落の危険もあった。炎と煙で「焦げ臭く、熱風が来る」(男児)中、児童らはすすで黒くなりながら、小さな体をさらに縮ませて救助を待った。
学校側は19日の記者会見で、「音楽室や音楽準備室での火災は想定していなかった」と説明した。同校は月1回、避難訓練を行っていたが、救助袋を使った訓練はしばらく行っていなかったという。
元東京消防庁麻布署長の坂口隆夫氏は、学校側の対応について、「遅くとも火災報知機が鳴った段階で避難すべきだった。屋内消火栓も使えば消火できた可能性がある」と指摘する。
学校防災に詳しい東京学芸大の渡辺正樹特任教授は「教員は無理に消火するより、児童を連れて安全に逃げることを優先すべきだ」とし、火の気のない場所からの出火も含め、「様々なケースを想定して避難訓練する必要がある」と話した。
女性教員は警視庁滝野川署に対し、音楽準備室で「洗濯物を乾かしていた」と説明。…以下ソース
https://www.yomiuri.co.jp/national/20260625-GYT1T00433...
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