獣臭(けものしゅう)、酸臭とも形容される「くさみ」のある昔ながらの豚骨ラーメン。
そのにおいに、微生物の一種であるアーキア(古細菌)が関与している可能性が高いことが九州産業大の米満宗明教授(食品科学)の研究で分かった。
職人の勘頼りだったスープ作りの謎の一端が判明し、インスタント食品への応用が期待される。
一般的に豚骨ラーメン店では、新しい骨だけを炊く「取り切り」や、創業以来の古いスープを継ぎ足す「呼び戻し」の製法を使う。
後者の方がくさみが強くなりがちだが、そのメカニズムは学術的に解明されていなかった。
米満教授は2017年から研究を開始。呼び戻し製法を使う「名島亭」(福岡市)のスープを遺伝子解析すると、古細菌の一つ「スルフォホボコッカス」が検出された。
同菌は温泉などにいる微生物で、高温でも生息できるという。
実験として新しい骨を炊き出す際に名島亭のスープを混ぜたところ、臭気の増加とスルフォ菌の増殖を確認。
一方、新骨のみで炊いた場合は臭気も少なく、スルフォ菌は検出できなかった。
臭気成分は、チーズのようなにおいで知られるイソ吉草酸などの短鎖脂肪酸だった。
米満教授は「古細菌が豚骨由来のアミノ酸を利用し、短鎖脂肪酸を生成した」とみており「短鎖脂肪酸は発酵によって生成される代謝物。呼び戻しスープは発酵食品だ」と話す。
さらに呼び戻しの発祥とされる福岡県久留米市の「大砲ラーメン」など同県内3軒、東京2軒のスープも解析し、名島亭と同一のスルフォ菌を確認した。
全て呼び戻し製法の店で、「空気中に微量存在する古細菌がスープに入り込むことがあり、においを生み出すのでは」としている。
ラーメン店はのれん継承の際、味を引き継ぐために骨やスープを譲り渡すことが多い。
それが培養したスルフォ菌を利用することで、誰でもどこでも、熟練の「くさい」ラーメンが作れる可能性が開ける。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e22ff4c09b7b296ac822...
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