2025年10月に発足した高市政権は、安倍晋三元首相の路線を強く意識した「安倍政治の継承」を基本性格としています。
一方で、物価高や円安といったアベノミクス当時とは異なる経済環境への対応が課題となっており、アベノミクスの「欠陥」も継承しているとの指摘もあります。
1. 経済政策(サナエノミクス)
アベノミクスを継承・発展させた「サナエノミクス」を掲げています。
3本の矢の再定義: 安倍政権の「金融緩和」「機動的な財政」を引き継ぎつつ、3本目の矢を「民間投資」から「大胆な危機管理投資・成長投資」へと進化させています。
積極財政の推進: 経済成長を優先するため、プライマリーバランス(財政収支)の黒字化目標の凍結を示唆し、戦略的な財政出動を重視しています。
戦略分野への投資: AI、半導体、量子、核融合エネルギーなど17の戦略分野を特定し、官民連携での重点投資を推進しています。
2. 外交・安全保障
「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の重要性を強調するなど、安倍外交の枠組みを明確に継承しています。
安倍路線の「純化」: 公明党が連立から外れたことで、従来の安倍政権よりも保守強硬な路線(防衛力の抜本的強化など)がより鮮明になっています。
象徴的な表現: 所信表明演説では、安倍氏が好んだ「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」というフレーズを使用し、後継者としての姿勢を演出しました。
3. 政権運営と支持
官邸主導: 安倍政権と同様に、経済安保や成長戦略において強い官邸主導の体制を敷いています。
高い支持率: 発足初期の世論調査では70%台の高い支持率を維持しており、小泉・安倍両政権の初期に似た傾向を見せています。
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