米国のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が決裂したことを受け、西側諸国の首脳らが一斉にウクライナへの支持を表明している。
2月28日の会談決裂に先立ち、英国のスターマー首相は27日にホワイトハウスでトランプ氏と会談。「侵略者」を利する和平合意であってはならないと訴えていた。スターマー氏は決裂後にもトランプ、ゼレンスキー両氏と会談した。
首相府の報道官は、スターマー氏が「ウクライナへの揺るぎない支持を継続し、同国の主権と安全保障に基づく恒久平和への道を見いだすために尽力している」と述べた。
スターマー氏は1日、22.6億ポンド(約4270億円)の対ウクライナ追加融資を進めることで、ゼレンスキー氏と合意した。リーブス英財務相によると、凍結したロシア資産の運用益が活用される。英議会では超党派の賛同が得られたという。
ゼレンスキー氏は、融資が国内での武器生産に向けられると述べ、スターマー氏との「有意義で温かい」会談に満足感を示した。
英国では2日、ウクライナ支援をめぐる欧州首脳らの会合が開催され、ゼレンスキー氏も出席することになっている。
欧州首脳の中でトランプ氏に近いイタリアのメローニ首相は、分断が西側諸国を弱体化すると指摘し、ウクライナをめぐる欧米首脳会議の開催を呼び掛けた。
関係者らによると、これまでにマクロン仏大統領、欧州連合(EU)の大統領にあたるコスタ首脳会議常任議長、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長もゼレンスキー氏と会談した。
マクロン氏は会談後の声明で「侵略者はロシア、攻撃を受けている側がウクライナだ」と強調した。
ショルツ独首相はX(旧ツイッター)に「ウクライナはドイツを、欧州を頼りにしてくれていい」と書き込んだ。
EUの外相にあたるカラス外交安全保障上級代表は、「自由世界が新たな指導者を必要としているのは明らかだ」とする声明を出した。
リトアニアのナウセーダ大統領は「ウクライナ、あなたは決して一人ではない」と呼び掛け、エストニアのツァフクナ外相は「ウクライナが戦いをやめれば国はなくなる」と危機感を示した。
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