シリア国民が全土に存在するという集団墓地の実態解明に着手している。既に国外逃亡した独裁者、アサド大統領の過酷な統治下で行われた残虐行為の規模が明らかになりそうだ。
自らの政権の崩壊を受けアサド氏がシリアを後にした今月8日以降も、数多くのシリア人家族たちは自分たちの愛する人々に何が起きたのか依然として答えを得られずにいる。これらの人々はアサド政権の秘密警察によって拘束された。
米非営利団体シリア緊急タスクフォース(SETF)のムアズ・ムスタファ代表によると、首都ダマスカス東郊にある集団墓地では「アサド政権による拷問で死亡した」数十万人の遺体が埋葬された可能性があるという。
数年にわたり集団墓地の調査に取り組んできたムスタファ氏はCNNの取材に答え、アサド氏の失脚を受けてようやく遺体が埋葬されている疑いのある現場を訪れることが出来たと述べた。
集団墓地とみられる場所は、ダマスカスから約45キロ離れたクタイファにある。現地には深さ6~7メートル、幅3~4メートル、長さ50~150メートルの溝が掘られている。
ムスタファ氏によれば、現地で墓掘り作業に従事していた人々に話を聞いたところ「2012年から18年までの間、1台当たり150人以上の遺体を積んだトレーラー4台が、2週間に一度の頻度で来ていた」という。合計で数十万人の遺体が運び込まれた計算だ。
遺体は埋葬しやすいように、ブルドーザーを使って押しつぶすよう情報当局者らが命じていたという。
16日には、南部ダルアー県のイズラー北郊にある集団墓地から20人以上の遺体が見つかったとの報道も浮上した。
仏AFP通信の映像には現場を掘り返し、土の中から遺骨を拾い上げる作業員の姿が映っている。
国際行方不明者委員会(ICMP)によると、シリアでは約15万人が行方不明となっている。大半はアサド政権や関係機関により拉致、拘束された人々だとされる。CNNはこの数字を独自に検証できていない。
SETFのムスタファ氏は、シリア各地に少なくとも8カ所の集団墓地が存在するとの認識を表明。各国の専門家にも、実際にシリアを訪れ、遺体の掘り起こしや身元確認を支援するよう強く呼び掛けている。
https://www.cnn.co.jp/world/35227412.htm...
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