>>21 >発がん性とくに大腸がんの原因になる事
米国国立がん研究所ジャーナルの掲載論文では、大腸がんの、
少なくとも再発については、肉ではなく糖質摂取との関連を示す
データが報告されている。
同論文の調査研究にはステージ3の大腸がん患者、およそ1万人が参加し、
それぞれの食事内容を、「どれだけ血糖値を上げやすいか」の指標である
「グリセミック・インデックス(GI値)」と、実際の食事の量から計算される
「血糖負荷(グリセミック・ロード:GL)」から5グループに分け、
術後化学療法中の半年間、追跡した。
その結果、GLや総炭水化物摂取量が最も高いグループでは、最も低いグループに比べて、
再発リスクや死亡リスクが80%も高いことが確認された。
この傾向は、術前にBMI25以上の肥満者や現在も肥満の患者でさらに顕著だった。
糖質、炭水化物の過剰摂取は、食後高血糖を招き、インスリン産生量を増やす。
糖尿病の発症リスクであることは言うまでもないが、高インスリン血症とがん発症率、
死亡率の上昇との関連もこれまで指摘されてきた。
少し古い研究だが、2006年の厚生労働省「多目的コホート研究」では、
40~69歳の男女約4万人から検診等で採血した血液を提供してもらい、11年半追跡した。
その結果、インスリン分泌量を反映する血液中の「Cペプチド」が高い男性は、
大腸がんの発症リスクが最大3.2倍、結腸がんでは3.5倍に上昇することが示された。
肉や精製された穀物を摂る西洋型の食事が、大腸がんの発症・再発リスクであることは
以前から指摘されていたが、そのうちの「何」がリスクを高めるかは不明だった。
現在も主犯格をめぐり「赤身肉だ」「いや、糖質だ」との論争が続いている。
しかし、この研究で、少なくとも術後の再発予防には、「肉」ではなく、
「炭水化物」の摂取制限が必要であることが明確になった。
研究者は「大腸がん手術後の生存率を改善する手段を提供できた」としている。
返信する