「マイナ保険証」の利用を巡り、全国保険医団体連合会(保団連)は19日、5~8月に医療機関で起きたトラブルの調査結果を発表した。
◆保険が使えず「10割負担」も計974件発生
トラブルがあったと回答した医療機関は7134に上った。
保険資格が確認できず、いったん患者に医療費の「10割負担」を求めたケースは、669の医療機関で少なくとも計974件あった。
トラブルがあった医療機関のうち78.3%が、代わりに現行の保険証で保険資格を確認していた。
現行保険証がトラブル時の代替策として広く活用されていることもあり、回答した医療機関の76.9%は12月2日以降も「保険証を残すべき」と答えた。
保団連の竹田智雄会長は調査結果を踏まえ、「現行の保険証があれば『10割負担』にはならない。
医療現場は切実に現行の保険証の存続を求めている」と訴えた。
◆なぜか表示される名前が「●」に
トラブルの内容については、複数回答で、名前や住所の漢字が「●」で表示されたケースが66.9%で最多だった。
次いで、カードリーダーの不具合が52.4%に上った。
「マイナ保険証の有効期限切れ」が理由のトラブルは20.0%だった。
マイナカードの電子証明書の有効期限(5年)が切れたまま更新されず、保険証として使えなかった事例だ。
総務省によると、2025年度には更新が必要なカードは2768万枚余りになるという。
2024年度の2.6倍に上る。更新忘れによるトラブルは今後、さらに増える可能性がある。
◆自分のマイナ保険証なのに他人のデータが…
他人の情報がひも付けられる誤登録は、今回の調査でも見つかった。政府は今年4月までにひも付け誤りを全て点検し、
新たなチェックシステムで誤登録を防いでいると説明しているが、155の医療機関(2.2%)から報告があった。
前回調査よりトラブルが増えたことについて、竹田会長は「政府の強引な推進策でマイナ保険証を利用する人が増え、
結果としてトラブルに見舞われる医療機関が増えたのでは。事態は一向に改善していない」と指摘した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/35496...
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