終戦直後、朝鮮半島に向かう旧日本海軍の輸送船が京都・舞鶴湾で爆発して沈没し、朝鮮人労働者ら500人以上が亡くなったとされる「浮島丸事件」をめぐり、
日本政府が5日、乗船者名簿の一部を韓国政府に提供した。日韓両政府が発表した。
日本政府は長年、乗船者名簿の存在を認めてこなかったが、今年に入り国内の情報公開請求に複数の名簿を開示。
さらに「名簿」と名の付く資料が「おおむね70くらいある」と明らかにしていた。
韓国外交省によると、日本政府は今回、内容の精査を終えた19件の資料を提供。
残りの資料も精査が終わりしだい提供するとしているという。
外交省は、受け取った資料を被害者の救済や事件の真相把握などに活用するとしている。
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「浮島丸」は旧日本海軍の輸送艦で、終戦直後の昭和20年8月24日に、京都府の舞鶴湾で爆発して沈没し、
日本から祖国に帰る途中だった朝鮮半島出身の労働者など540人以上が犠牲になったとされている。
この浮島丸をめぐっては、沈没後に海軍などが調査して作成した乗船者に関連する名簿が、いくつか残されていることが発表された。
韓国政府はこうした資料の提供を日本政府に要請し、厚生労働省はこのうち精査が終わった19の関連名簿を5日、韓国政府に提供した。
浮島丸の犠牲者について、厚生労働省は、これまでの調査でほとんどの人の身元は分かっているとしているが、
韓国の通信社・連合ニュースは、犠牲者の遺族が、日本政府の見解よりも多い3000人以上が死亡したと主張していると伝えている。
名簿の提供を受けて、韓国外務省は「犠牲者の遺族が、根拠となる資料がないために慰労金の支給の申請を棄却・却下されたケースもあり、
支給について再度審査する場合に、今回の名簿を活用する方針だ。
政府としては、被害者の救済や真相把握などが円滑に行われるよう、引き続き努力していく」としている。
厚生労働省は今後も、韓国政府の要請に応じて、精査が終わった関連名簿を提供していくことにしている。
https://www.asahi.com/articles/ASS953JPNS95UHBI01FM....
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