スーパーなどの店頭でコメの品薄状態が続いており、出回り始めた新米の価格が高騰している。
コメ不足で需要が高まっているパックご飯もメーカーが相次いで値上げを発表しており、家計の負担増が当面続く可能性もある。
JAグループのJA全農ラドファは5日、「農協ごはん」などのパックご飯全7商品を11月1日出荷分から約10~13%値上げすると発表した。
原料米の価格高騰に加え、電気代などの生産コスト上昇が続いているという。
東洋水産は、「マルちゃん」ブランドのパックご飯を11月1日出荷分から13~14%値上げする。
サトウ食品も、「サトウのごはん」シリーズの全64品を12月2日出荷分から約11~14%引き上げる。
昨年の猛暑による品質低下や、インバウンド(訪日外国人客)の急増に伴う外食需要の高まりなどで、コメの民間在庫量は156万トン(6月末時点)と低い水準となっている。
政府は「需給は 逼迫(ひっぱく) していない」と強調する。
だが、災害に備えた買いだめ需要も重なり、新米が出回る時期となっても、首都圏などでは品薄が続く小売店が目立つ。
農林水産省がコメ業界の関係者を集めて4日に開いた意見交換会では、2024年産の新米は5キロで3000円を超える商品がほとんどで、
昨年の2倍近い水準となっていることが示された。新米は調達競争が激化しており、ある卸売業者は「言い値で買っている状況だ」と話す。
ただ、24年産米は全国的に例年より生育が早く、収穫も前倒しで進んでいるとして、新米の流通が本格化すれば価格は落ち着くとの見方もある。
・JA全中会長が懸念
全国農業協同組合中央会(JA全中)の山野徹会長は5日の記者会見で、新米価格が高騰していることについて、
「上がり続ける状況を望んでいるわけではない」と懸念を示した。
肥料や燃料など、コメの生産資材が高騰しているとして、山野氏は「コスト増加分を反映できるのはよいこと」としつつ、
供給不足による価格高騰については、「高すぎると消費者離れが出てくる」と述べた。
コメの品薄状況を巡っては、「2024年産米は全国的に例年よりも生育が早く、収穫も前倒しで進んでいる」と強調した。
JAグループを挙げて集荷・販売を進めるとし、「正常な状態にまもなく返っていくのではないか」との見通しを示した。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240905-OYT1T50218...
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