7月15日、アメリカの連邦警察は元中央情報局(CIA)分析官のスミ・テリー被告を起訴した。
韓国の情報機関「国家情報院」のために活動し、その見返りとして高級ブランドのバッグや寿司レストランでのディナーなどの提供を受けた疑いだ。
米韓のメディアよれば、米連邦捜査局(FBI)はテリー被告を2013年から2023年6月まで約10年間にわたって調査を続けていたという。
2019年には、国情院がドルチェ&ガッバーナのコート(2845ドル)をクレジットカードで購入し、テリー被告に贈った。
外交官としての地位を利用したため、コートの代金は非課税だった。
テリー被告はその後、品物をクリスチャン・ディオールのコート(4100ドル)と交換したという。
同年、ボッテガ・ヴェネタのバッグ(2950ドル)も贈られた。2020年8月には、国情院職員2人がテリー被告とニューヨーク・マンハッタンのギリシャ料理店で会食した。
起訴状には、ボッテガ・ヴェネタのバッグを購入した際やギリシャ料理店での会食の様子を撮影した写真も添付された。
このほかにもテリー被告は、国情院の職員から計3万7000ドル相当の研究助成金を受け取ったとされている。
一方、テリー被告は2018年から19年にかけ、訪米した韓国の情報関係者らに米当局者らとの会合をセットした。
22年にはブリンケン米国務長官とともに出席した米政府の対北朝鮮政策に関する非公開会議のメモを国情院職員に渡した。(一部略)
韓国では、保守系メディアが「大半が文在寅政権当時に起きた問題だ」という論陣を展開する一方、
進歩(革新)系メディアは「尹錫悦政権も日韓関係に関する論文執筆を依頼していた」と批判するなど、政治問題化している。
しかし、テリー被告と韓国との関係は、保守政権でも進歩政権でも続いていたわけだから、「政治的に保守・進歩のどちらが悪いか」という問題ではなさそうだ。
■元国情院職員は「スパイのイロハも知らない行為」と...
米国や日本で情報収集活動にあたった知り合いの元国情院職員らの見方は、韓国メディアの論調とは異なる。
彼らが一様に口にしたのは、「情報機関としての質の劣化」に対する嘆息と危機感だった。
元職員の1人は「聞いてみたら驚くことばかりだ」と語る。
元職員によれば、重要人物と接触する場合、外交車両は使わず、尾行者の有無を必ず確認しなければならない。
国情院がテリー被告に贈った品物の値段や資金規模は「驚くほどではない」とする一方、「なぜ、品物の購入にカードを使ったのか理解に苦しむ」と話す。
証拠が残るカードを使ったのはもちろん、外交官の身分証明書まで見せて無税扱いにするなんて、「スパイのイロハも知らない行為」だと話す。
それでなくとも、米国の監視網は徹底している。米国で働いた別の元職員は「米国ではFBIの監視からは逃れられないと覚悟すべきだ。裸で歩いているようなものだ」と話す。(以下略)
https://bunshun.jp/articles/-/7228...
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