ウクライナへの軍事侵攻をめぐってロシアに対する経済制裁が続く中、船舶用のエンジンや水上バイクなど、合わせておよそ4000万円分をロシアに不正に輸出したとして、大阪市の貿易会社の代表が外国為替法違反の疑いで逮捕されました。このうち船舶用のエンジンなどは、軍事転用が可能とされていて、警察が詳しいいきさつを調べています。
逮捕されたのは、大阪 中央区にある貿易会社「アストレード」の代表取締役でロシア国籍のソワ・アンドレイ容疑者(38)です。
警察によりますと、2023年1月に、国の承認を受けずに、
▽船舶用のエンジン1台と
▽水上バイク4台
それに、
▽中古のバイクなど
合わせておよそ4000万円分をロシアに不正に輸出したとして、外国為替法違反の疑いが持たれています。
船舶用のエンジンや水上バイクなどは、ウクライナへの軍事侵攻が始まった2022年2月以降、経済制裁の一環としてロシアへの輸出が禁止されていますが、この会社では、大阪 住之江区の港から、韓国経由で輸出していた疑いがあり、2023年2月にウラジオストクの港に到着したことが確認されているということです。
経済産業省によりますと、輸出された製品のうちの船舶用エンジンや水上バイクは、軍事転用が可能とされていて、警察が詳しいいきさつを調べています。
調べに対し「弁護士と相談してから話す」と認否を留保しているということです。
《代表逮捕の貿易会社 軍事侵攻以降 売上大幅に増加》
登記簿などによりますと、代表取締役が逮捕された大阪 中央区の貿易会社は2010年4月に設立されました。
日用品や中古車、バイクなど、さまざまな製品を取り扱っていて、会社のホームページでは「取り扱い製品は1万点を超えている」としています。
警察によりますと、会社では、2015年から2023年にかけて、ロシアを中心に合わせておよそ1200件の輸出を行っていました。
信用調査会社の東京商工リサーチによりますと、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、大手企業がロシア向けの輸出から撤退したことを背景に、会社への注文や取り引きが増加し、円安も加わって売り上げを大幅に伸ばしたということです。
その結果、2023年3月期の売上高は、2022年のおよそ2.5倍にあたる23億円余りに上っていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240710/k1001450743...
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