>>10 「ネイティブ・アメリカンの人たちはみな、昔から日常的に煙草を吸っていた」
と思い込んでいる者も多いが、実際はそうではない。
もちろん、煙草は北米大陸原産で、数千年前から栽培されてきた物であり、
自分たちの育てた煙草の葉を自分たちで乾燥させて、それを薬草として利用する部族が
ないわけではないが、彼らはそれをあくまでも聖なる薬草(メディスン)と認識されている。
昔のネイティブ・アメリカンの人たちが煙草を吸ったのはあくまでも癒しの儀式のためで、
それはだいたい「1ヶ月に一度あるかないか」だった。
だから当然、煙草は明確に意識に変化を与える効果を持っていた。
そして、それは現代の煙草のように「貪るように吸うこと」が目的であったわけではない。
多くの場合、創造主からの贈り物であり、極めて神聖なものと認識されていた煙草の葉は、
これを細かくして大地にまいて浄化をしたり、あらゆる命を祝福するための物として、
決められた神聖なやり方で使われた。
また、いわゆる「ピースパイプ」として、みんなで輪になってパイプを巡らせている光景を
映画などでよく見るが、ラコタの人たちがピースパイプに詰めてくゆらせていた物のほとんどは
煙草ではなく、キニキニック(kinnikinnick)と呼ばれ、薬草を扱う専門の人によって
何種類かの薬草(赤柳の皮、コケモモの葉、ラズベリーの葉)などが微妙にブレンド
されたものである。
そこに煙草が加えられる事も無いわけではなかったが、必ずそうだったわけでもない。
とにかく、煙草は本来、「毎日毎日、1~2時間おきに吸う」ような物ではない。
本来は神聖であった煙草に、有害で依存性の強い化学物質を混ぜ込むことにより、
その神聖さを取り上げて、全くの別物に変貌させてしまった企業の術中にはまり、
気がついたときには中毒にされてしまっていて、ただなんとなく吸い続けているのならば、
それは全くもって「煙草との正しいつきあい方」とは言えない。
煙草を世間の嫌われ者にしてしまったA級戦犯であり、真の「文化の破壊者」は、
タバコ会社と、それに踊らされてニコチン依存症にされ、他人の迷惑も顧みず、
のべつまくなしに喫煙せざるを得なくなっている喫煙者たちに他ならない。
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