(前略)
ではなぜ、NHKは嫌われるのだろうか。ネットメディア編集者として10年以上、ネットを見てきた筆者としては、
大きく分けて「NHKそのもの」と「テレビ全体」の2方向に問題があると思われる。
まずはNHKそのものの「たたかれやすい背景」を考えてみよう。
SNSを眺めていて、一番伝わってくるのが、「殿様商売への反発」だ。テレビ受像機があれば、その家からは受信料を徴収できる。
それを根拠にして、ことあるごとに受信料を払うよう求めてきて、困惑したといったエピソードは、ネット上でも多々見られる。
後にも説明するが、「一家に一台はテレビを置いている」という前提が崩れた現代では、果たして自分の生活に必要なのかと、立ち止まって考える人も多い。
解約か継続か、つまり「ゼロ円か、2000円か」の2択で悩む人々は、そもそも1割値下げした程度で「安くなった感」を得られない。
いくらNHKが「あなたたちが求めるから、値下げしましたよ。だから赤字になっちゃいました。てへぺろ」とアピールしたところで、
「NHK離れ」が進んでいる人を引き留められるほどの吸引力を持っているかというと、そうとは思えないのだ。
■「清廉潔白さ」への違和感
疑念が生まれる要素は、受信料制度にとどまらない。つづいて考える背景は「『清廉潔白さ』への違和感」だ。
全国に取材網を擁していて、ことある事件・事故のたびに「記者が居合わせている」ことで有名なNHKではあるが、
内部構造は一見よくわからない。
その「社風」も見えてこない。一般的には「お堅い人々の集まり」と認識されているようだが、
フリーに転身した元NHKアナウンサーらを見ていると、在職中は胸に秘めていた「おちゃらけ要素」を、民放進出でさらけ出すケースは珍しくない。
そのギャップが強ければ強いほど、視聴者は「伏魔殿なのではないか」とのイメージを強くする。
そこに加えて、「『たたける存在』として認識された」。選挙シーズンなので、言及は控えめにするが、
2016年ごろから「NHKをぶっ壊す」のフレーズが、一種のネットミームになったことにより、「NHKはバッシングしていい存在だ」との認識が広がった。
先に挙げた疑念たちを言語化されたと、好意的に受け止める人が出てきてもおかしくはないだろう。
「NHKたたき」の背景には、テレビ業界全体が抱える課題もある。まずは「報道への不信感」だ。
「マスゴミ」なる蔑称が普及して久しいが、とくにSNSで発信する層は、マスメディアへの信頼が薄いように感じられる。(以下略)
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