韓国の大手日刊紙・中央日報の日本語電子版は6月13日、「朝日、モンゴルで秘密接触…『金正恩氏の直接指揮を受ける情報機関関係者が出席』」との記事を配信した。
中央日報によると、北朝鮮側の代表団は3人で、日本側の代表団には政治家も含まれていたという。
(途中略…早稲田大学名誉教授の重村智計氏が執筆した記事)
なぜ重村氏は中央日報の報道に信憑性を感じなかったのか、それは記事に不可解な記述があるからだという。
■記事の矛盾点
「まずニュースソースを《複数の情報筋によると》と書いた記事は眉唾物と見なすのは、国際報道の常識です。
取材に自信がある記事なら、はっきりと『政府高官によると』とか『外務省筋によると』と明記するからです。
さらに中央日報の記事には、北朝鮮側の代表団は『諜報機関である偵察総局の関係者と外貨稼ぎの働き手』で構成されたと書かれています。
一応、理由は色々と書かれていますが、対日交渉を担当するのは国家保衛省で、それ以外はあり得ません」(同・重村氏)
日本側の代表団に《有力な家門出身の政治家》が含まれていたという記述も違和感があるという。
「北朝鮮も韓国も家柄を重視する傾向がありますが、日本は両国ほどではありません。
特に北朝鮮との重要な会談に出席するとなれば、外交や北朝鮮の事情に精通した政治家が選ばれるはずで、家柄など関係ないはずです。
中央日報の記述は韓国社会の常識に引っ張られた格好になっており、これでは信頼度が下がります」(同・重村氏)
さらに北朝鮮の政治システムも、中央日報の記事は無視してしまっているという。
「記事はモンゴルを舞台に日朝の関係者が実務者協議をスタートさせたように読めます。
こうした“ボトムアップ”型の外交は普通の国家ならあり得る話です。
しかし北朝鮮は独裁国家であり、“トップダウン”の命令系統しか存在しません。
金与正氏の意向に逆らって日本と交渉を続けていたりすると、国家反逆罪に問われる可能性があります。
実際、金与正氏は日朝が交渉を続けている時、『なぜ日本側は下っ端とばかり話をしたがるのか。
私と直接、話をしないのはなぜだ』と苛立っていたことが分かっています」(同・重村氏)
……以下略
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/06190600...
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