刑事裁判を傍聴していると検察官はなぜか事件記録を風呂敷につつんで持ってきます。
たいていの検事が、かばんではなく風呂敷なんですよね。
弁護士で風呂敷を使う人はまずいません。
いったいなぜ検事は風呂敷なんでしょうか?
①検察庁と裁判所が近い
検察庁は裁判所のすぐ近くにあるケースが多いです。
弁護士の場合、裁判所で電車で移動したり、その後別の裁判や現場に行ったりすることもあるので、
事件の記録だけではなくパソコンや他の書類、メモ帳やipadなど様々なものを持ち歩きます。
一方、検察官は、徒歩で1~2分の検察庁から、あくまでその裁判のためだけに裁判所に行くので、
運ぶのは事件記録だけであり、かばんである必要はありません。
また、歩いてすぐですから、途中でどこかに置いたりすることもありませんし、
周りの目を気にする必要もありません。
②分厚い記録も包める
刑事事件の記録は薄いこともあれば分厚いこともあります。
鞄だと分厚い時にはキャスター付きの大きなバッグでないと入らないことがありますが、
風呂敷の場合には大きさに合わせることができます。
ちなみに、検察官の持っている風呂敷は、一般的な風呂敷よりもかなり大きいサイズのものが
支給されるようです。
③帰りの荷物を無くせる
検察官は、刑事事件記録を裁判所に全て提出して帰ってくることがほとんどのため、
行きの荷物が多くても、帰りの荷物は少ないということがよくあります。
風呂敷だと帰りは折りたたんで持って帰ることができ、楽なのです。
一方、弁護士は荷物が大幅に減るというケースはあまりないため、
鞄の方がよいということになります。
これまでずーっと長年、検事の間で風呂敷が使われ続けてきているということは、
検事にとっては相当使い勝手が良いんでしょうね。
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