今も昔も、、、
旧制高校の学生といえば、当時におけるエリートの卵たち。
現在とは比べ物にならないほど行いが立派であるに違いない、と思わされます。
ところが、『少年犯罪データベース』によれば、旧制高校学生たちが起こした事件としてこのような記録が残されています。
昭和一〇年(一九三五)四月二十五日[高一ら八〇人がストームで大暴れ]
山口県山口市で、山口高等学校1年生六〇人と二、三年生二〇人の八〇人が新寮生歓迎のための街頭ストームと称し夜の九時に街に繰り出し、
無理やりバスを留めて木刀で車体を叩いて乗客を震え上がらせたり商店の看板を壊したり放歌高吟して大暴れした。
山口署は総動員で鎮圧につとめたが収まらないので首謀者五人を署に連行した。
残りの生徒は署の前に押し掛けて太鼓や石油缶を叩き大声を上げて木刀を振りまわしながら大騒ぎした。
生徒は説教だけですぐに釈放された。
四月は新入生歓迎のために街中でストームが続いており、昨日は八木デパートで数名が暴れて警察が学校に注意したばかりだった。
(管賀江留郎『戦前の少年犯罪』築地書館 256頁)
昭和一〇年(一九三五)五月十六日〔松本高校生三三〇人が旅館で暴動〕
長野県南安曇郡の中房温泉旅館で深夜、松本高校一~三年生三三〇人が酒を飲んでストームと称して騒ぎ、
窓ガラスを何枚も割り、障子をすべて壊して池に放り込み、廊下は何ヶ所も踏み抜いて穴を開け、コイを殺して食べ、女中をフトン蒸しにしてその上で飛び跳ねたりして暴れた。
毎年恒例の駅伝大会が中止されて一泊旅行に変更されたため反発したもの。
一〇数人が電源を切って暗闇にしてから引率の校長に鉄拳を加えようとしたが、柔道教師に阻まれてできなかった。
ほとんどの生徒が旅館の下駄も盗んで履いて帰り、学校は旅館に莫大な損害賠償を払ったが、ひとりも処分されなかった。
(同書 257-258頁)
返信する