総務省が発表した家計調査によれば、「ハム」を買うために支払う年間支出金額が減少を続けているという。
かつては朝食の定番食品であり、お歳暮の人気商品だったイメージがあるが、なぜ日本人はハムを食べなくなったのか。
同調査によると、2023年の2人世代以上のハムの年間支出額は4750円だった。
14年には5832円だったため、1000円以上も少なくなっており、この10年でおよそ20%減少したことになる。
しかも、加工肉全体の年間支出額はこの10年で約500円の微増となっていて、ソーセージやベーコンはほぼ横ばいの状態にあることから、
やはり「ハム離れ」が鮮明となっているのだ。
「ハムを食べなくなった原因の1つには、ハムなどの加工肉を食べると『がんになりやすい』という研究結果のイメージが残っている面もあるでしょう。
世界保健機関(WHO)の研究機関である国際がん研究機関(IARC)が、加工肉を1日に50g食べた場合、大腸がんのリスクが18%高まると発表。
2015年当時、加工肉メーカーはこれに猛反発し、WHOは「一切食べないようにとは求めていない」と弁明しました。
ソーセージやベーコンでも同様のはずですが、ハムだけが嫌われるのは、単体で食べることがあまりなく、
腹持ちもそれほど良くないといった理由が考えられます」(フードジャーナリスト)
加えて、ハムにとっては致命的とも言える「生活習慣の変化」があったという。
「ハムエッグにサラダにトーストなど、ハムは朝食に食べるもの、というイメージがあると思いますが、近年は朝食を食べない人が増えているのです。
農林水産省の調査によると、21年には全体の13.9%が朝食を欠食しているといい、特に20代から30代の若い世代では26.5%にのぼるといいます。
ハムエッグで使われる卵の価格が急激に高騰した影響もあり、さらにハムは存在感を失いつつあります」(前出・ジャーナリスト)
朝食の欠食率は増加傾向にあるという。今後はさらにハムの存在意義が薄れていくのかもしれない。
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