ECサイト「楽天市場」が6月から出店料を一気に約3割値上げすると発表し、EC業界内で驚きが広まっている。
楽天グループは2023年12月期連結決算(国際会計基準)では5年連続の最終赤字となり、資金繰りへの懸念も広まるなか、
今回の値上げの背景には何があるのか。業界関係者の見解も交えて追ってみたい。
ユーザID数は1億以上、国内流通総額5兆円を超える楽天市場。国内ネット通販市場でシェア3割を占める巨大な楽天市場に出店することは、
中小小売事業者のみならず大手メーカーなどにとっても重要な販売手段の一つとなる。
楽天グループは23年12月期連結決算で最終損益3394億円の赤字を計上し、5年連続の最終赤字に沈んだ。
業績低迷の原因となっているのが「楽天モバイル」の携帯電話事業であり、同事業の営業損益は3375億円の赤字。
携帯電話のサービス開始から4年が経過したが、同事業がEC事業と金融事業の利益を食いつぶす構図が続くなか、24~25年には計8000億円に上る社債の償還を迎えるため、
同社の経営の先行きを不安視する見方も広まっている。
そのようななか今回の価格改定で楽天市場の出店料は、「がんばれ!プラン」が月額1万9500円から2万5000円に、「スタンダードプラン」が月額5万円から6万5000円に、
「メガショッププラン」が月額10万円から13万円に値上がり。約3割の値上がりとなる。
EC会社関係者はいう。
「2008年から16年間、価格を据え置いていたということなので、昨今の物価・人件費の高騰や必要とされる高度な各種機能の実装に伴い値上げするというのは理解はできるものの、
いきなり3割値上げというのはインパクトが強い。絶対額としては約6000~3万円ほどで大した額にはみえないかもしれないが、
商品1個当たりの利益が数百円程度の出店者からすれば、数万円の値上げ分をカバーするには何十個、もしくは100個以上の売上を上げなければならず、負担は大きい」
別のEC会社関係者はいう。
「楽天市場に出店する事業者は5万以上あり、仮に1店舗当たり平均で月額2万円の値上げと仮定すると、楽天Gにすればそれだけで年間100億円以上の収入増となる。
楽天G全体として赤字縮小の意図があるのは明らかだが、EC事業は黒字で儲かっており、今急いで大幅な値上げを行う必然性は乏しく、
携帯事業の赤字穴埋めのために楽天市場の出店者に対して値上げを行うのはおかしな話であり、筋違い。
楽天市場には小規模な出店者も多く、どこも人件費や物価高騰で苦しむなかでの値上げということもあり、出店者にとっては結構衝撃的な話。反発が予想される」
https://biz-journal.jp/2024/02/post_376585.htm...
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