(前略)
万博のシンボルとして、会場を木製の建造物でぐるりと囲む大屋根、通称「万博リング」は、350億円というその建設費用の高さから大きな批判を受けたが、「芸術性が高い」として、とりあえずの批判は収まったようだ。
しかし、税金で建設される「万博のぜいたく」は、万博リングだけの一点豪華主義で終わるものではない。
むしろ、万博リングは芸術性が高いからという理由で認めてしまったので、それ以外のぜいたくに異論を挟みにくくなってしまった。
その代表例が、トイレである。万博の会場内には、トイレ(全8棟)、休憩所(全4棟)など20施設が建設される。
すべてが全員違うデザイナーによるもので、一般のトイレとは全く違う豪華な「デザイナーズトイレ」ということになる。
まず驚くのは、1カ所のトイレに1億~2億円ほどもかかっていることだ。
関西で公園トイレなどの建設を営む事業者は、匿名を条件に「2億円の万博トイレ」への見解を明かした。
「公衆トイレで2億円はさすがに高過ぎます。最近、兵庫県下であった大型トイレの建て替え工事(芦屋中央公園北便所棟建替工事)では、3800万円弱の落札というものがありました。
『万博価格』ということで価格が上乗せされるとしても7000万円程度が妥当な価格ではないでしょうか。
この価格から、大手ゼネコンがドン引きレベルのごっつい中抜きをすることを差し引いても、めちゃくちゃ豪華な建屋と内装になるのでしょうね」
なぜ、税金で2億円もかかるトイレを万博に造る必要があるのか、まったく分からない。
トイレにまで採算度外視で力作を求めた結果がこれである。
あれだけ行財政改革をしてきたはずの大阪維新の会であるが、万博に関しては態度がブレブレだ。
大阪維新の代表である吉村洋文大阪府知事も、幹事長の横山英幸大阪市長も、万博協会の副会長に名を連ねているのだから、もう少しリーダーシップを発揮してほしい。
大阪維新は「府市がバラバラだからムダ遣いがはびこる」という説明を繰り返してきたのだが、府市が一体となってムダ遣いをしていては意味がなく、説得力は皆無だろう。
https://diamond.jp/articles/-/33878...
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