1月20日、月面への着陸に成功した日本の無人探査機「SLIM」についてJAXA=宇宙航空研究開発機構はこれまでに探査機から送られたデータなどから着陸目標地点との誤差を100メートル以内とする世界初の「ピンポイント着陸」に成功したことを発表しました。
日本の無人探査機「SLIM」は1月20日未明、世界で5か国目となる月面への着陸に成功しました。
25日、都内で開かれた会見でJAXAはこれまでに探査機から送られたデータなどを詳細に解析した結果探査機は着陸目標地点から東側に55メートルほどの地点に着陸したと推定されることがわかったと明らかにしました。
従来、誤差が数キロメートル単位とされてきた月面着陸で、誤差100メートル以内を目指す世界初の「ピンポイント着陸」に成功したと発表しました。
◆「SLIM」の機体の撮影に成功
また搭載していた2機の小型の探査ロボットも正常に機能したことが確認され、月面で撮影された画像にはメインエンジンが上を向き、ほぼ鉛直の状態になった「SLIM」の機体が写っています。
この画像では写っていない「SLIM」の画面右側を向いている面に太陽電池パネルが搭載されています。
また、手前にはゴツゴツとした月面の様子が捉えられているほか、両端に見える銀色の物体は「LEV-2」の左右の車輪だということです。
また画像の中央部分に見える灰色やピンクの線はデータが取得できなかった部分を示しているということで、原因を調査中としています。
これまでの解析で、着陸直前の高度50メートル付近で2基のメインエンジンのうち、1基がなんらかの異常で失われたこともわかりました。
この影響で想定とは異なる姿勢で月面に着陸したことから探査機に搭載された太陽電池に太陽光があたらず、現時点で発電できていませんが、今後、太陽光があたれば発電する可能性もあるということです。
◆開発責任者「ピンポイント着陸に関しては100点満点」
「SLIM」の開発責任者、JAXAの坂井真一郎プロジェクトマネージャは「ピンポイント着陸に関しては100点満点。限られた時間でやるべきことはやりきれた。引き続き復旧運用に向けて全力であたっていきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240125/k1001433395... JAXAの月探査機SLIM、月面に「逆立ち状態」でピンポイント着陸に成功
https://www.yomiuri.co.jp/science/20240125-OYT1T50132...
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