<国際的に批判を浴びていた韓国の「食文化」がいよいよ消え去るか?>
長年、韓国内で社会的な議論を呼んできた犬食の賛否をめぐる問題が、ついに決着を見る日が来た。
1月9日の韓国国会では、食用を目的に犬を屠殺したり飼育·繁殖することを禁止する法案を可決した。韓国メディアが報じた。
<グーグルでも高い人気の韓国料理だが......>
近年、K-POPや韓国ドラマが世界的に人気を集めるなか、韓国料理も世界中から注目されるようになり、グーグルが発表した2023年の年間検索ランキングでレシピ部門の1位は韓国料理のビビンパが獲得している。
そんな世界的に人気を集める料理がある一方で、欧米を中心に非難を浴びていた料理が「補身湯(ポシンタン)」などの犬肉を使った料理だ。
もっとも世界中から批判されるほど犬食が韓国でメジャーかといえば、そうではない。
1984年のソウルオリンピック開催を受けて、法律上は「補身湯(ポシンタン)」は禁止されるようになった。
現在ではソウルでも犬肉を提供する店も少なくなったというが、禁止というわりには無くなったとは聞かない。
<「犬食用禁止法」違反は懲役3年>
今回、韓国国会で成立した法律は「犬食用禁止法」と呼ばれている。
具体的には食用目的で犬を屠殺した場合3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金、また食用目的で犬を飼育したり、
あるいは繁殖や流通させても2年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金という内容になっている。
<ザル法と疑問の声も 実質的に犬食は禁止されない?>
こうして成立した法律だが、はやくも実効性に疑問の声が投げかけられている。 その理由の一つが施行されるまでに3年間の猶予措置がとられたことだ。
もちろん、この3年の間に政府は法律の広報活動を行って、関連事業者に転廃業を促すなどの働きかけをすると見られるが、
当然ながらその3年間はこれまで同様に犬食を提供することは何らおとがめなしの状態が続くわけだ。
また、今回の法律では業務としての犬食用屠畜や繁殖、流通が禁じられたが、
個人的に犬食をすることまでは禁じてはいないため、闇ルートでの犬食はなくならないのではないかという指摘も出ている。
事実、これまでにも「補身湯(ポシンタン)」はソウルオリンピックのときに法的には禁止されたものの、
さまざまな法律上の隙間を縫って現在まで営業が続けられてきたわけで、今回の法律でも、同様のことが起きるだろうという声があがっている。
<「食用」でなくなる犬たちを待つものは......>
また、仮に法律がうまく機能したとしても問題が残っている。犬食用に犬を繁殖させてきた業者たちが廃業する場合、すでにいる犬たちをどうするのか、という点だ。
基本的にはこれらの犬たちは動物保護センターに送られることが予想されるが、現状でもこれらの施設は飽和状態になっており、
新しくきた犬たちは行き場もなく安楽死させざるを得ないのではないか、という指摘が出ている。
法律はできたものの、まだまだ課題は山積みの状態といえそうだ。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/01/3-406.ph...
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