中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)が年間販売台数300万台を目指し、12月に入って全シリーズで値下げを実施した。
値下げ幅は最大で2万元(約40万円)になる。
BYDだけでなく、新興EVメーカー零跑汽車(Leap Motor)も車両価格から1万7000元(約34万円)を値引きし、理想汽車(Li Auto)は「L7」と「L8」で最高3万6000元(約72万円)値下げした。
吉利汽車(Geely Automobile)傘下の高級EVブランドZEEKR(極氪)は「ZEEKR 001」で1万6000元(約32万円)の値下げを実施し、
ネット検索大手の百度(バイドゥ)が吉利汽車と共同開発した「極越(JIYUE)01」は、発売から間もないものの、全シリーズを3万元(約60万円)値下げすると発表した。
このほかにも、10以上のブランドが何らかのかたちで価格競争に加わっている。
車両の値下げが進むなか、主要部品である車載電池の価格も下がっている。
業界関係者によると、今年に入ってから炭酸リチウムなどリチウムイオン電池の材料価格が下がり続け、
角型バッテリーセルの平均価格は1Whあたり0.8元(約16円)以上から0.5元(約10円)程度にまで落ち込んでいるという。
つまり60kWhのバッテリーパックを搭載した車両なら、コストは少なくとも1万8000元(約36万円)下がることになる。(途中略)
■2024年はさらに厳しく
この年末も楽観できない状況だ。あるアナリストは「12月の材料生産計画は昨年より減少し、需要は低迷している」と話す。
蓄電分野では、受注が減ればそれだけ競争が激化するという構図が特にはっきりしている。
BYDの関係者によると、10月に入ってからBYDでは毎週ライバル企業の価格や製品情報を集め、出荷量や価格を分析して戦略を練るようになったという。
来年はさらに悲惨な状況となるだろう。ある業界関係者によると、一部の材料メーカーは来年10%以上値下げすると通知された。
BYDのバッテリーサプライヤーは来年20%のコスト削減を求められ、今年の20%削減と合わせて「2年で4割引き下げることになる」という。
バッテリーのコスト構造はすでに限界にまで圧縮されている。材料のほうでコストを削っても、バッテリー価格引き下げの余地はそれほど大きくない。
しかしエンドユーザーの、特に新エネルギー車の価格競争は止むことがない。いったいどこでコストを削減するのか、産業チェーンに関わる企業はみな神経をとがらせている。
https://news.goo.ne.jp/article/36kr/business/36kr-268...
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