大阪・関西万博の開幕まで500日を切っても、木造「リング」(大屋根)への批判が収まる様子はない。
建設費は約344億円。リングで使用する木材は約2万立法メートルで、幅30メートル、高さ12~20メートル。会場中心部を取り囲み、
1周2キロで来場者は屋根の上と下を回遊できる。完成すれば「世界最大級の木造建築物」となることが売りだ。
リングについて、日本維新の会の創設者で弁護士の橋下徹氏は11月17日、自身の「X」(旧Twitter)でこうアピールしている。
《万博リング。京都清水寺の舞台と同じ懸造り。釘を一切使わないあの工法。清水の舞台は高さ13メートル。万博リングもその高さに匹敵し、規模は清水の舞台よりもはるかに大きい。
清水寺の舞台には今も連日多くの国内外観光客が訪れている。日本人の多くの人が一度は訪れているはず。それほど清水の舞台は人を惹きつける力のある木造建築物。
万博会場地は海上埋立地で海抜10メートル。そこに清水の舞台よりもはるかに大きな木造舞台が姿を現す。四方は関西の海に山に大都会。清水寺の舞台に負けないくらいの体験ができると思う。》
大阪府の吉村洋文知事も、11月16日、『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX)に出演し、リングをこうアピールした。
「日本の木材建築技術ってすごくて、清水の舞台ってあるじゃないですか。あれは貫(ぬき)工法といって、釘を使わないのに耐震性がすごく強い芸術的な作り方。これと同じ工法で(リングは)作られています」
だが、11月24日、衆院予算委員会で、立憲民主党の森山浩行議員がこの点を追及している。
「日本の伝統工法だと言われてますが、釘は使ってないけど、ボルトやナット使ったりしてますね?」
経産省の審議官が「日本の伝統的な貫工法という方法を使いますが、一部、釘もボルト等も活用はいたします」と答えると、
森山議員は「伝統工法を模したもの。鉄を使ったりボルトやナット使ったものは、伝統工法と言いません」とバッサリ切り捨てた。
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