イスラエル軍は1日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナのガザ地区への軍事作戦を再開し、各地に空爆を行うなどしていて、住民に犠牲者が出ています。先月24日からの戦闘の休止は7日間で終わり、ガザ地区の人道危機がさらに深まることが懸念されます。
イスラエル軍は、合意に基づく戦闘休止の期限が過ぎた現地時間の1日午前7時すぎ、日本時間の1日午後2時すぎにSNSで「ハマスが合意を破り、さらにイスラエルに向かってロケット弾を発射した」などとしてハマスへの軍事作戦を再開したと発表しました。
そしておよそ30分後には「現在、空軍の戦闘機がガザ地区にあるハマスの標的を攻撃している」と発表しました。
一方、ガザ地区の内務当局は、日本時間の1日午後2時すぎSNSでガザ地区でイスラエル軍による空爆が始まり、▽北部のガザ市のほか▽南部のハンユニス周辺などさまざまな地域で行われているとしています。
NHKガザ事務所のカメラマンがガザ地区南部ラファ市内にある難民キャンプで撮影した映像では、イスラエル軍によるとみられる攻撃で煙が上がり、多くの人が集まってがれきの中に閉じ込められた住民を助け出そうとする様子が確認できます。
ガザ地区の保健当局は「戦闘休止の終了から3時間で32人が死亡し、数十人がけがをした。そのほとんどが子どもや女性だ」と発表しました。
軍事作戦の再開についてイスラエル首相府は「テロ組織のハマスは戦闘休止の計画に違反し、拉致された女性を解放する義務を果たさず、イスラエル国民に向けてミサイルを発射した」として、戦闘再開の責任はハマスにあると非難する声明をSNSに投稿しました。
一方、ハマスは日本時間の午後4時前、SNSを更新し「民間人を標的にする敵に立ち向かう」などとして徹底抗戦の姿勢を示しました。
イスラエルとハマスは先月24日から戦闘を休止し、1日までに▽ハマス側がガザ地区で拘束していたイスラエル人と外国籍の人質合わせて105人を解放した一方、▽イスラエルも刑務所に収容していたパレスチナ人240人を釈放しましたが、戦闘の休止は7日間で終わりました。
戦闘の再開によって支援物資の搬入などに影響が出るおそれがあるほか、これまでイスラエル軍は、多くの住民が避難しているガザ地区南部にも侵攻する構えを見せていて、人道危機がさらに深まることが懸念されます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231201/k1001427473...
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