>>2 NHK
(東京大学中東地域研究センターの特任准教授による解説)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_new... ガザ地区は世界的にも有数の貧困地帯です。地域が単に貧しいというだけではなくて、15年近くにわたって続いてきたイスラエルによる経済封鎖の影響ということを指摘せざるをえません。
国連が2012年にガザ地区に関するレポートを発表しています。このレポートのタイトルは「ガザは2020年に人は住めるんだろうか」。結論としては、人が住むにはふさわしくない土地になるだろうというものでした。
ガザ地区の大きな問題は飲料水の確保と食料の安全です。ガザ地区に対して提供される電力はガザ全体の電力を賄うほどの量にはなっていません。その中で、汚水を処理するための浄化槽に回っていないということが、たびたび指摘されています。
そうなると、生活用水はどこに行くのかということなんですけれども、住宅地の少し離れた場所に大きなため池を作って汚水をためる、または海に直接流すということが行われてきました。しかし、これによって水源の汚染が起きてしまったと言われています。
このためガザ地区には安全に飲むことができる井戸水がほとんどないとされていて、ガザは人が住めなくなる土地になってしまうということを言っていたわけです。
また、ガザ地区における貧困状態、または失業状態というのは非常に深刻です。去年(2022年)の段階ですが、ガザ地区の失業率は47パーセントに達しています。若者だけに限れば、失業率は64パーセントとも言われているわけです。
また、貧困ライン以下で生活をする人口はガザ地区住民の65パーセントであると言われていまして、ガザの住民には、かなりの多くのパレスチナ難民、難民家庭が含まれるんですが、この難民家庭に絞って言えば、ガザでの貧困率は80パーセントを超えています。
非常に貧しい、生活が苦しい地区を反映するもう一つのデータが、ガザ地区の住民のうち人道支援に頼っている人の割合です。住民の80パーセントが何らかの人道的支援に頼って生活をしています。食料支援かもしれないし、医療的な支援かもしれません。支援がなければ生活が成り立たない人たちが80パーセントいる、これがガザ地区の現実です。
限界はもうすでに数年前から超えているというふうに言えると思います。だからこそ、今回、ハマスやイスラム聖戦など武装勢力によって壁が打ち破られた時に示された強烈な怒り、憎しみといった感情が生まれてくる背景というところにもつながってくると私は思います。
返信する