ロシア軍は掌握をねらうウクライナ東部の激戦地で、多くの兵士の犠牲を出しながらも、再び激しい消耗戦を仕掛ける準備をしているとの見方が出ていて、抗戦するウクライナ側は警戒を強めています。
ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州のウクライナ側の拠点アウディーイウカの掌握をねらって、多くの兵士の犠牲を出しながら攻撃を続けています。
アウディーイウカの戦況について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は1日の分析で、「ロシア軍は歩兵を中心とした、消耗の激しい地上攻撃を再び仕掛ける準備をしているとみられる」とした上で、受刑者などで構成された部隊を突撃させる可能性があるとの見方を示しました。
前線のウクライナ軍の報道官も2日、地元メディアに対して、ロシア軍がアウディーイウカ周辺で新たな攻撃に向けて部隊の増強など準備をしているとする見方を示し、警戒を強めています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231103/k1001424624... ●焦点:ロシア軍懲罰部隊「ストームZ」、弾薬も食料もなく前線投入
正規軍兵士の1人は、「ストームZ部隊の兵士はただの『肉』だ」と語る。匿名での取材に応じたこの人物は陸軍第40318部隊に所属し、今年5月と6月、激烈な争奪戦の舞台となったウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムト周辺に派遣された。
戦場ではストームZ部隊の負傷兵6、7人の集団を治療した。名前も知らない指揮官からは放置しておくよう命じられたが、従わなかった。命令の理由は分からないとしつつ、将校らがストームZの兵士を通常の兵士より下に見ている典型的な例だと主張している。
取材したストームZ部隊の兵士5人のうち3人、および他部隊の兵士3人の親族は、所属する兵士の大半が命を落としたという悪夢のような戦闘について語った。
窃盗罪で服役していた刑務所から動員された1人の兵士の話では、第237連隊に従軍していたストームZ部隊120人のうち、6月のバフムト近郊での戦闘で無事だったのは15人だけで、残りは死傷したという。
https://jp.reuters.com/world/ukraine/RW3ATNWWPJKJ5B5H... ※写真は、処遇への不満から戦闘拒否を宣言するストームZ(懲罰部隊)兵の動画から取得(2023年 ロイター)。
兵士の1人はこの動画で「私たちがいた前線には、弾薬が補給されなかった。水も食料もなかった。負傷者は搬送されず、遺体は今も放置されている」と語った。
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