ウクライナ軍はここ数日で、貴重なレオパルト2戦車を立て続けに3両失った。
オープンソース・インテリジェンス(OSINT)アナリストのアンドルー・パーペチュアによると、今週オンラインに出回った動画で、南部ザポリージャ州でレオパルト2A4が2両損傷し、ほか1両は遺棄されたことが確認されたとのことだ。
ウクライナ軍が今年6月上旬、ザポリージャ州やドネツク州の複数の軸で満を持して反転攻勢に乗り出して以来、西側から供与された戦車の損害としては最も大きなものになった。
もっとも、全体として見れば、ウクライナ軍はこれまで西側製戦車をうまく保ってきたと言える。ウクライナ軍はドイツ製のレオパルト2A4(40両)、レオパルト2A6(21両)、レオパルト1A5(20〜30両余り)、スウェーデン製のStrv 122(10両)、英国製のチャレンジャー2(14両)、米国製のM1A1エイブラムス(31両)などを保有し、レオパルト1やレオパルト2は今後さらに西側から供与されることになっている。
これら合計で150両ほどにのぼる西側製戦車のうち、ウクライナ軍が4カ月以上にわたる激戦で失ったのはレオパルト2A4を5両、レオパルト2A6を3両チャレンジャー2を1両と、わずか9両にとどまっている。
ウクライナの陸軍や空中機動軍の部隊は概して、西側製戦車を慎重に運用してきた。言い換えると、最も有効な時と場所を選んで使ってきた。ただ、反攻開始後間もない頃には、そうでない使い方をしたこともあった。たとえば陸軍の第47独立機械化旅団は6月上旬、ロシアの占領下にあるザポリージャ州メリトポリの北約80kmに位置するマラトクマチカの南で、ロシア軍の設けた地雷原に複数のレオパルト2A6を突進させ、むやみに高いリスクにさらした。
攻撃は失敗に終わり、第47旅団はレオパルト2A6を少なくとも1両失っている。
マラトクマチカでの手痛い失敗のあと、第47旅団や西側製戦車が配備されているほかの旅団、具体的に言えば、レオパルト2A4を保有する陸軍の第33独立機械化旅団、Strv 122を保有する第21独立機械化旅団、チャレンジャー2を保有する空中機動軍の第82独立空中強襲旅団は、それらの戦車を夜間に運用するようになった。また、ある程度離れた距離からロシア軍の陣地を砲撃する任務にあてた。
こうして、ウクライナ軍は西側製戦車を活用しつつ、保ち続けることができた。慎重な運用と、ポーランドやドイツにある修理工場の頑張りのおかげで、ウクライナ軍の旅団はこの夏、西側製戦車に関してはフルの戦力に近い状態で戦い続けられた。
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