イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突で、ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区の封鎖が続き、各国から届いた支援物資が境界の外側で山積みのままになっている。世界保健機関(WHO)は、地区内で水が底を尽きかけていると警告を発した。
ガザ地区では燃料や食料、水が不足し、病院が機能停止の瀬戸際に追い込まれたり、住民が脱水や飢餓に陥ったりしている。一部の住民はエジプトへ脱出しようと、外との境界で唯一イスラエルの管理下にないラファの検問所に集まっているが、ここも閉鎖されたままだ。
中東歴訪中のブリンケン国務長官は17日、イスラエルとの間で、ガザ住民に人道支援物資を届ける計画に向けた合意が成立したと発表した。だがラファの検問所を再開する方向で進展があったかどうかは明らかでない。
パレスチナの境界管理当局者は14日、CNNとのインタビューで、ラファ検問所のゲートはすべてコンクリートブロックで封鎖されていると話した。エジプト当局は、イスラエルの空爆でガザ側の道路が開通不能になっていると主張する。
米マクサー・テクノロジーズによる衛星画像にはブロックのほか、ゲートに近い道路で通行を阻む直径9メートルの穴が4つ写っている。
エジプト側では国連のチームが、ガザ地区に入って人道回廊を開設しようと待機している。
世界保健機関(WHO)の報道官はCNNに、エジプト大統領と検問所再開で合意したものの、イスラエルの攻撃で安全が確保できなくなり、物資の動きが滞っていると話した。
ガザ地区には約8万4000人の妊婦がいて、毎日多くの赤ちゃんが生まれているとも訴えた。
国連のグリフィス人道問題担当事務次長は17日、外交努力を支援する目的でエジプトの首都カイロを訪れる。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、同氏はイスラエル訪問も予定している。
エジプトのメディアによれば、国内各地で17日早朝、支援物資を積んで検問所へ向かうトラックの車列がみられた。世界各国や国際団体から送られた物資の一部は、すでに数日前に境界まで到達している。
ガザ側に集まった多くの避難民の中には、親族を訪ねていたパレスチナ米国人の家族もいる。武力衝突が始まって帰国できなくなり、ラファの境界が再開すると聞いて車でやってきたが、再開の見通しがないまま立ち往生している。
国連人権理事会の任命でパレスチナの人権状況を調査している特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼ氏は14日、イスラエルが戦争に紛れてパレスチナ人への「民族浄化」を実行していると非難した。
イスラエルのエルダン国連大使はこの主張を「全くのうそ」と呼んで反発し、アルバネーゼ氏は反ユダヤ主義者だと糾弾した。
https://www.cnn.co.jp/world/35210377-2.htm...
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