金融機関どうしの資金のやり取りを担う全銀ネット=「全国銀行資金決済ネットワーク」のシステムに不具合が発生し、10日朝から11の金融機関で他行宛ての振り込みができない事態となりました。復旧の見通しは立っておらず、現時点で140万件の振り込みに影響が出ているということですが、11日の取り引きについては、別の手段で対応して振り込みができるようにするとしています。
全国銀行協会によりますと、10日午前8時半ごろ、一般社団法人の全銀ネット=「全国銀行資金決済ネットワーク」が運営する通称・全銀システムに不具合が発生しているのが確認されました。
この影響で
▽三菱UFJ銀行
▽りそな銀行
▽埼玉りそな銀行
▽関西みらい銀行
▽山口銀行
▽北九州銀行
▽三菱UFJ信託銀行
▽日本カストディ銀行
▽JPモルガン・チェース銀行
▽もみじ銀行
▽商工組合中央金庫
の11の金融機関で他行宛ての振り込みができなくなりました。
全銀ネットによりますと、システムの復旧の見通しは立っておらず、現時点で140万件の振り込みに影響が出ているということで、このうち100万件についてはすでに別の手段で処理を行い、残りの40万件については引き続き対応を進めるとしています。
11日の取り引きについてはシステムが復旧しない場合でも別の手段で対応し、振り込みができるようにするとしています。
全銀ネットによりますと、9日までの連休中に新しい中継コンピューターに更新する作業を行っていたということで、現在、詳しい原因を調べています。
全銀ネットは「多大なるご迷惑、ご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます」とコメントしています。
全銀システムとは
全銀システムは全国の金融機関をネットワークで結ぶ基幹システムで、1973年に稼働を始めてから、日本の金融取引の基盤として重要な役割を果たしてきました。
金融機関の顧客の取り引きに影響を及ぼす形で不具合が発生したのは、50年間で初めてだということです。
銀行を訪れた人は
名古屋市中区にある「三菱UFJ銀行 名古屋営業部」の入り口には、システム障害のため、他行宛ての振り込みができなくなっていることを知らせる紙が貼られていました。
訪れた会社員の50代の男性は「取引相手に支払いができず、迷惑をかけてしまうし、自分にも入ってこないので不便ですが、こうなった以上は仕方ないと思います」と話していました。
また、70代の女性は「びっくりしました。振り込もうとしたら、『他銀行だから振り込むことができません』と言われました。早く終わらせたいのでとても困ります」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231010/k1001422044...
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