「あなたはジャーナリストか、それとも日本のシュピオン(スパイ)か?」
彼は、私の質問を遮ってそう迫った。彼の名は、デニス・カプースチン氏。
ロシア人としてあえてウクライナ側に立って、軍事侵攻を続けるロシアと戦う「ロシア義勇軍」の司令官だ。
そのカプースチン氏が、ウクライナの首都キーウで私たちの単独インタビューに応じた。
なぜ、彼らは“祖国”ロシアと戦うのか。通訳なしの1時間半におよぶインタビューで迫った。
(ヨーロッパ総局記者 渡辺信)
●我々は怖がることをやめたロシア人
ロシア義勇軍司令官 カプースチン氏
「プーチンは恐怖だけで支配している。誰もが彼を恐れている。プーチン反対派も賛成派もどちらもだ。ロシアの人々の『恐れ』が続くかぎり、プーチンは権力の座に居続ける。
しかし、我々は違う。SNSで文句を言うだけでなく、プーチン反対の意志を明確にして、実際に銃を手に取ったのだから。我々ロシア義勇軍は、怖がることをやめたロシア人の集団だ」
カプースチン氏は終始、プーチン大統領に対する強い対抗意識を隠さなかった。
なぜ、彼らはウクライナ側に立ってロシアと戦っているのだろうか。
●私は“約束を守る人間”
ことし(2023年)の8月10日ー。
ウクライナ軍の反転攻勢が始まってから、すでに2か月ほどが過ぎていた。
私(筆者)は首都キーウにいた。肌を刺す強い日ざし。湿気を含んだ熱い風がシャツの中を吹き抜けていく。
昼下がりの街を、おしゃれな薄手の服装の女性たちが、かっ歩している。戦時下であることを忘れそうになるくらいの開放感だ。
そんな街の風景をよそ目に、私たち取材班は、指定されたレストランに向かった。店の入り口とは別の扉に案内され、薄暗い階段を上った。ひんやりとした空気が漂う。
以下ソース(NHK渾身の長文記事)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_new...
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