処理水の偽情報が中国語で拡散　大臣会見も改ざん、対日感情に影響か

　東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に絡み、ネット上の偽情報を調査する台湾のNGOが、実例を挙げて警鐘を鳴らしている。処理水の危険性を強調し、人々の不安をあおる意図がみられたためだ。中国で使われる簡体字を用いた偽情報は少なくなく、中国世論の対日感情に影響した可能性がある。
NGO「台湾ファクトチェックセンター」によると、偽情報の拡散は8月24日の放出前夜から始まり、放出後に加速した。拡散力の強い動画を含む投稿が多く見られたという。
特に急速に拡散したのは、西村康稔・経済産業相が25日、中国による日本産水産物の禁輸撤廃を求めた会見の動画を使った偽情報だった。会見を伝えるNHKニュースを引用しつつ、簡体字が交じった中国語で、「中国や香港、マカオに輸出予定だった2万匹の魚が台湾に運ばれた」とウソの説明が加えられていた。
■「処理水を台湾のダムに入れた」
ほかにも、メキシコの海岸沿いの建物から海に黒っぽい汚水が排出された2020年の映像を使い、「日本の放出は人類に災禍をもたらす悪行だ」と訴える投稿もあった。福島原発の処理水と誤認させる狙いとみられる。センターが25日に投稿に気付いて調べたところ、中国企業を親会社に持つ動画投稿アプリ「TikTok（ティックトック）」のロゴや簡体字の説明が添えられていた。
また、台湾の人権団体幹部をかたり、SNSに「蔡英文（ツァイインウェン）政権が処理水を水不足に悩む台湾のダムに入れた」と写真付きで紹介した投稿もあった。政権は「事実無根」と否定している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6a909ea7129e2b54fc4f...

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