欧米で金利上昇の一方、日本は… 植田日銀「YCC修正」で“すずめの涙”の預金金利は上がるのか
銀行手数料が大幅値上げになる理由
海外で低金利が続き「金利は死んだ」と言われていた間、こんなジョークも飛び出した。
「僕は銀行と女性から同じようにあしらわれているよ。どちらも、ゼロ・インタレスト(興味なし)の回答だ」。日本語に訳してしまうとさっぱりだが、金利(インタレスト・レート)と興味(インタレスト)をもじったギャグだ。
一般の生活者にとって「金利」と言うと、まず身近なのは銀行預金とか、住宅ローンを借りるときの金利だろう。
欧米ではすでに急速な利上げが進んだので、低金利ジョークはもう時代遅れだ。でも、定期預金金利が0.002%。100万円を1年預けて受け取る利息が20円(普通預金だと0.001%で10円)という日本では、まだしっくりくる。
でも近頃は、銀行から受け取る微小な利子は無視できても、銀行に支払う手数料の方はうかうかしていられなくなった。
手続きはネットでやってね、と言うことなのだろうが、オンライン取引に馴染んでいない年齢層には辛辣な扱いだ。かといって預金を寝かせたままにして2年間以上使わないと、三菱UFJのケースでは口座維持費用として1320円も取られる。
「談合」と思われては困るのだろう。他のメガバンクは今のところ手数料値上げを発表していないが、追随するのは時間の問題と見た方が良さそうだ。
超低金利の世の中では預金者もひどい扱いを受けるが、銀行の収益も圧迫される。銀行は、預金者に支払う金利と、事業者などに資金を貸し出したり債券などで運用する金利の差、「利ざや」を収益源にしている。
低金利環境では貸出や債券から得られる利回りが、預金者に支払う金利の下げ幅以上に下がり、利ざやが圧縮されてしまうのだ。近年では、無店舗・低コストのネット専門銀行という新手のライバルも現れたり、電子マネーの動きも脅威だ。
キャンペーンレートではあるが、楽天銀行で証券口座と連動させれば300万円までの普通預金に0.1%、SBI新生銀行に新規口座を開設すれば1年物定期で0.3%の金利がつく。3ヶ月物なら1%だ。パーセンテージが小さくて今ひとつピンと来ないが、メガバンクの普通預金金利0.01%と0.3%を比べれば、差は30倍と大きい。
楽天銀行は1400万の口座数を有する。預金の残高ではまだメガバンクとの差は大きいものの、口座数ランキングでは、ゆうちょ、三菱UFJ、三井住友、みずほ銀行に続いて、すでに日本第5位に食い込んでいる。
こうした動きを受けて、従来銀行も収益確保とサバイバルのために、なりふり構わぬ戦略を取り始めた。窓口業務のコストも、ATMの維持費も、見直し対象だ。ATMは今後ますます減るだろうし、銀行支店のフロアは米国のように、富裕層専門の金融商品ご相談コーナーに変わっていく流れかもしれない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e451beb2fc4cadd1b515f...
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