牛乳はカルシウムが非常に豊富に含まれており、健康によさそうな飲み物に見えます。
しかし、脂肪分が多かったり、細胞のがん化につながるといわれる「IGF―1」という成分が多く含まれていたりと、
カルシウムのメリットだけでは語れない側面もあります。「牛乳とがん」について調査した論文も数多くあります。
例えば、「前立腺がん」を見ていきましょう。前立腺がんは日本で急増しており、男性のがんの罹患者数1位です。
今後も増えていくことが予想されています。
42ヵ国で、前立腺がんと牛乳の関係を調べた論文では、「牛乳と前立腺がんによる死亡リスクには密接な関係があった」という結果になっていました。
いくつかの論文で同様の結果が示されており、残念ながら、前立腺がんと牛乳には関係があると言えるでしょう。
■牛乳にはメリットもある!
しかし、「牛乳は飲まないほうがいい!」とは言い切れないのです。牛乳と大腸がんとの関係を調査した分析では、牛乳が大腸がんのリスクを減らす結果が出ています。
さらに、100万人以上の参加者を対象にした牛乳と乳がんに関しての分析では、牛乳を含めた乳製品は乳がんのリスクを下げるだろうという結果も出ています。
一方で『New England Journal of Medicine』という世界的に著名な医学雑誌に掲載されたハーバード大学の「milk and health」という総説論文でも、
「食事バランスがとれていない人にとって、牛乳は栄養源としてよいかもしれない。しかし、普段から気を配っている人にとっては飲むメリットはあまりないだろう」とされています。
牛乳に関して現段階で言えるのは、「前立腺がんの家系の人は牛乳を避けたほうがよさそう」となります。
牛乳のようにデータ上はっきり決着がついていない食品については「あまり考えすぎず、過剰な摂取はしないようにする」のが最適解といえるでしょう。
https://diamond.jp/articles/-/32834...
返信する