自衛隊で使用済みとなった車両は民間への払い下げが禁止されており使用済み車両は再利用できないよう、破砕(溶解)を
して鉄くずとして処理する規則がある。かつては解体された部品を集めて再度組み立ててマニアが趣味として所有している
ケースもあったが現在はそれも厳しくなっている。
公道を走れる車両としてナンバーを取得することなどは100%ありえないし、クルマの形で海外に持ち出されることも不可
能なはずだ。
しかしながら、ロシアで展開する複数の中古車サイトでは「トヨタ・メガクルーザー」として自衛隊で使用済みとなった複
数の高機動車が販売されている実態がある。
実は数か月前までは、これらの多くは「KOKIDOSHA」(高機動車)として販売されていた。現在は筆者が探した7~8台の
中には「KOKIDOSHA」として販売されている車両はなかった。
事情通によると今年4月頃から「トヨタ・メガクルーザー」として販売されるようになったそうだ。なぜ、メガクルーザー
なのか? 詳しくは後述するが、2023年3月に日本の国会(安全保障委員会や衆院外務委員会)にて何度か高機動車に関す
る質問がおこなわれたことに関係している可能性が高い。
発端となったのは2022年11月にウクライナのテレグラムサイト「NMTE」に投稿された写真である。写真にはロシア軍で日
本国自衛隊が使用していた車両が軍事車両として使用されているという説明がついていた。
その後、動画共有サイトでは実際に高機動車とみられるロシア軍の車両が複数台連なって走行するシーンを撮影した動画も
流れている。
どうみても、日本の自衛隊で役目を終えた高機動車にしか見えない車両がウクライナを攻撃するロシア軍の車両として使わ
れているわけだが、車両を管理する防衛装備庁は「自衛隊で使われている高機動車に外観は似ているが確実な証拠がない」
としてこれを否定している。
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